タープ問題を考えてみる その2
~今さらだけど、タープ問題を考えてみる その2~

もう一度原点に返って「フジロックとはなんぞや?」ということを考えてみたらどうだろう? そんな思いから取り上げたタープ問題なのですが、「その1」掲載時にはたくさんのご意見をありがとうございました。予定通り「その2」をお届けします。
これでこのシリーズは終了なのですが、10年目のフジロックに向けて突進するとともに、時には足を止めてこういうことも考えていけたらと思います。
「去年はタープが規制されたせいで、今までの半分しか会えんかったなあ」と友人は語る。普段会えない地方の友人に年に一回会うのがフジロックの楽しみの大きなひとつなのだ。「納得できないのは、突然禁止をアナウンスされたこと。禁止の前に、きちんとした予告をするとか、一回チャンスをくれたら改めることができたんじゃないかな。オレらは、マナーを守ってきたつもりだし、知らない人でも困っていたら入れてあげていたりしていたし」。
そして友人は、本当は規制自体がいらないのだけど、と前置きしながら、タープ復活のために、区画を作るとか、時間を決めるとか、大きさを制限するとか、料金制にするなどの提案をしてくれた。どれも規制のために複雑なルール作りが必要で、かつ管理する人を置かなければならないので、実現はちょっと難しいかなと、おれは思うが、ひとつの考え方ではある。
それに対して、おれは代替案を主催者に対して提案していく方が現実的なのでは?と思った。例えば、タープがない代わりにキャンプサイトに戻りやすくするルートを作るとか、キッズランドを改善するなどを検討してもらってもよいのではと考える。
ところで、ネットの掲示板の反応や、去年の現場を見ると、タープ禁止が多くの人に受け入れられている。「そんなにタープにこだわらないで、禁止は仕方ないのだから別の過ごし方や、楽しみを見つけるべきだ」と、ボードウォークキャンプの常連のひとりは、熱心に語ってくれた。そういうふうに受け入れる人も多いのだろう。また、「『ダラダラと過ごすなんてもったいない! ライヴをガンガン観るんだ』という人がフジで増えてきている」という指摘もある。
友人は訴える。「人が集まって、ダラダラできるのがフジロック。それができないとなると、せっかくのフジが山の中でやるサマソニみたいになっちゃう」。彼らは「自分の身は自分で守ろう」とか「自分のペースでゆったり楽しもう」という主催者の理想に沿う形で、ゆったりと楽しんできた。そういう人たちにもうちょっと配慮してくれてもいいのではないかと思う。
この問題をまとめると、1.タープに対する規制は仕方がない。2.しかし、突然の禁止のアナウンス(2003年に予告されていたとは言え)のため、一部の人たちの反発を招いた。もう少し段階を踏むなどが出来なかったのだろうか。
逆にタープ利用者たちも、1. タープ利用者同士で自治ができなかった。そして何よりもタープを使わない多くの人たちに対して思いやりが欠けていた。実際、2004年頃はフジロックが終るとタープ利用者のマナーについての非難の書き込みが掲示板に多く見られた。2. 例えば、Jリーグのチームのように、クラブとサポーターの団体が話し合って、サポーターの自治が上手くいっているところもある。本来なら、そのような関係を作れればよかったのかも知れない。これはタープ利用者だけでなく、主催者も、その間に入っているはずのorgとしても反省するところだ。

この問題について友人・知人に話を聞いていると、1年のうちのたった3日間の過ごし方について、これほど熱くなれるのかと、しみじみ思う。タープ問題は、お客さんたちの世代によって意識が違うというのを浮き彫りにしたのがひとつ。もうひとつは、苗場という限られたスペースを、どうやってお互いシェアするのかという問題において、残念ながら失敗してしまった事例になってしまったことでもある。
前回の反響は思ったより大きかったけれども、「こういう人もいることを知って欲しい」「思いやりを持てればよかった」という話にこんなに反発があったことは意外だった。タープという単語だけでこんなに反応があるとは。
だけども、タープ禁止について、いまだに納得いかないと言っている友人が周りにいるし、まだ2ヶ月前のこの時期に一度振り返ってみてもいいのではないかと思うのだ。ちょっと考えてみて、その先に出てくる意見はいろいろでよいと思うのだ。
前回でも書いたけど、自分の立場は「お客さんの増加と現状のグリーンステージ後方からすれば、規制は仕方ない」というもので、それを踏まえて、タープの問題が掲示板的には沈静化した今だからこそ、冷静に振り返って過去を検証すると共に、限られたフジロックのスペースでの過ごし方――それは、タープに限らず、レジャーシートでの場所取りとか、日よけスペースの譲り合いとか、キッズランドに子供じゃない人が入り込んで休憩スペースとして使ってしまうとか、ごみの問題など――を考えるきっかけにできればと思うのだ。
Text by org-nob org-minifuji、Photos by fujirockexpress


