私たちはなぜフェスティバルに惹かれるのか?グラストンバリーレポート<ピープル編>

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 観客動員数16万8,000人だったという今年のグラストンバリー。ただし、この人数はあくまでもチケットを購入して入場した人の数。14歳以下の子どもは入場無料であること、そしてあの広大な会場を管理するスタッフやプレスの人数を考慮すれば、20万人近い数の人達があの場にいたことになる。それだけの数の人間が集まれば、実に色々な人がいる。ただ、それだけの多くの人数の中にも共通していることがあった。それは、皆最高に「いい顔」をしているのだ。想像してみてほしい。20万もの人が皆、最高の笑顔でいる様子を。そんな人達を見ているだけでも楽しい気分になれるのが、フェスティバルの醍醐味のひとつだろう。そこで今回は、グラストンバリーで私達が出会った「いい顔」をお届けしたい。


第1弾<会場編>はこちら


■泥人コレクション
 時折晴れ間は見られたものの、会期中雨続きだった今年のグラストンバリー。お陰で会場は完全に泥沼状態。普段は農場である土地をフェスティバル会場にしているとあってよく肥えているためか、粘着性が強く水はけが悪いのがグラストンバリーの土の特徴。まるで田んぼの中を歩いてるかのようで、歩くだけでも体力を消耗する。そんな中でも、雨には慣れているからなのか、はたまたどんな環境でも楽しもうと思えるのがイギリス人の気質なのか、げんなりした表情で歩いている人はほとんどいなかった。それどころか、泥の中でこそできる遊びをしようという人達で溢れていた。自ら泥の中にダイブする人、水上ボートならぬ泥上ボートを楽しむ人、泥相撲を楽しむ人、泥まみれの格好でひたすら岩を転がし続ける人、などなど。そしてそんな人達を皆が笑って見ているのだ。ただし、ここでひとつ要注意! ひとごとのように笑って見ていると、不意に巻き込まれることも……。オルグスタッフも泥人に抱きつかれて服が泥だらけに。ゴアテックスのカッパを着ていてよかった……。


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■キッズコレクション
 グラストンバリーは14歳以下の子供は入場無料。フジロックも小学生以下は保護者の同伴に限り入場無料とあって近年子どもの数は増えてきたが、それでもグラストンバリーは子どもの数が多かった印象が強い。皆、一人前にカッパと長靴を履いてフェスティバル会場を歩いていた。中には、まだ歩けないほど幼い子どもを乗せたベビーカーを泥沼の中引く姿も。イギリス人の母はたくましい! また、グラストンバリーにはキッズ・フィールドというエリアがある。フジロックのキッズ・ランドの10倍ほどの敷地のこのエリアでは、紙芝居や演劇が繰り広げられていたり、滑り台などの遊具や砂場が設置されていたりと、子ども達が楽しめる空間が整っている。また、ミュージカル「CATS」さながらのフェイスペインティングができたり、お姫様のような衣装を貸し出していたりもする。そのため、このキッズ・フィールドはまるでおとぎの国のような様相だった。
 グラストンバリーで見かけた多くの子ども達からは、親に連れられてここに来たというよりも、自身が心からこの環境を楽しんでいるという印象を強く受けた。「パパ! ママ! 来年もあそこに行きたい!」そんな台詞が聞えてくるかのようだった。そうやってフェスティバルが「文化」として人々の心に根付いていくのだろう。


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 今回、グラストンバリーでの「いい顔」をレポートしたが、フジロックも沢山の「いい顔」で溢れている。私達がFUJIROCK EXPRESSで毎年ピープルインタビューを行っているのも、そんな「いい顔」を届けたいという想いがあるからだ。勿論今年も、沢山の「いい顔」をお届けできらたと思っている。


text by org-philine
photos by org-aco, org-philine, org-q_ta, org-ryota, org-yusuke, yukari morishita