旅で音を紡ぐバンド YoLeYoLeインタビュー!

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 フジロック最終日、Gypsy Avalonのトップバッターを飾るのがYoLeYoLe(ヨレヨレ)だ。ナオ(写真中)のうた、コウヘイ(写真左)のギター、そしてリュウジ(写真右)のマンドリン。YoLeYoLeの奏でる音はそのバンド編成からも伝わるものがあるかもしれない。素朴で優しい音色と、ときに躍動するリズムで数々のお祭り会場を沸かせてきた彼らをOrg-funaがインタビューしてきました!


 数々の祭を沸かしてきたYoLeYoLeだが、まだ彼らの存在を知らないフジロッカーズは数多くいることだろう。まずはどんなバンドなのか、結成当時の話から始めようと思う。


ナオ 「私がアコースティックの歌モノのバンドをやってみたくなって(※ナオは2003年のFIELD OF HEAVENに出演したMAJESTIC CIRCUSにも在籍している)、マンドリンをやっているリュウジ君を誘ったんです。でも2人だけだと音数が少なすぎて話にならかったんですよ。そこでリュウジ君がやっていたHORSEというバンドからギターのコウヘイ君を誘おうってなったんです。これが2005年の年末ですね」


 バンド結成当初はフジロックに出ることなど予想もせず、『やりたいからやってみた』という程度だったそうだ。本格的にライブ活動を続けていくことになったのは最初のセッションライブがきっかけだったという。


ナオ 「りゅうじ君の友達からライブをやってくれないかって誘ってもらったのが一番最初のライブだったんです。このライブが3人ともすごく気持ち良くて、聴いてくれた人たちも『すごい良かった』って言ってくれたんです。なんかそれで好感触だったのもあって、やってみようかなって」


 本格的にバンド活動を始めたYoLeYoLe。3人は音楽漬けの日々を送るべく共同生活を始めることになった。『合宿だよね。9ヶ月間の合宿だと思ってる』、当時を振り返るようにコウヘイはこう話す。こうしてYoLeYoLeは年間100本近い演奏をするライブバンドへと成長していった。


ナオ 「(結成当初は)1年に100本ライブをやるバンドにしようとは思ってなかったですね」


コウヘイ 「1年じゃない、半年ちょっとでやったんだよ。本格的にライブを始めたのが(2006年の)3月くらいからだから。前は10日間連続でライブをやってた時期もあったけど、今はだいぶ制限してる。(ライブを)やり過ぎたからナオちゃん疲れちゃったもんね」


ナオ 「疲れちゃった。ヘトヘトになっちゃった(笑)」


 YoLeYoLeがライブを行う場所は小さなカフェや祭の場であることが多い。草の根の活動を身上とする彼らだけに、こんなところにも人と人との結び付きの強さが表れている。そして、YoLeYoLeを旅へと導くキーワードがもう1つある。それがGRATEFUL DEAD(グレイトフル・デッド)というバンドの存在だ。日本にはデッドヘッズと称されるグレイトフルデッドのファンが存在し、彼らが経営するカフェやバーも数多く点在する。YoLeYoLeの旅を支える影には、デッドヘッズの存在が強く影響しているようだ。


コウヘイ 「グレイトフルデッドはよく聴いてたからそういう繋がりはあるよね。同じ趣味を持った友達みたいな感じだよ」


ナオ 「デッドが好きだと話が早いっていう部分はあるかな。だけどそういうところだけに行くのもどうかと思う……。全くデッドを聴いていない人のところにも行きたいんですよ。こだわりはないけど(デッドヘッズの店が)多いかなって感じです」


 ライブに明け暮れる日々を送りながら、先日ついにファーストアルバム“ひかり”をリリースした。このCDの発売元となるレーベル“Tuff Beats(タフビーツ)”について面白い話を聴くことができた。その話を少々ここで。


コウヘイ 「タフビーツには色々とお手伝いしてもらってるんだよね。大手の流通とかプロモーションとかやってくれて。すごい感謝してる」


ナオ 「タフビーツとはお金の話をあまりしていなくて、『私たちと仕事することによって何かメリットはあるんですか?』って聞いたら、『YoLeYoLeと繋がれて新しいネットワークができることがメリットだから、お金のことはそこまで考えていない』って。それでいっぱい話していくうちにこの人たちにお願いしたいなって思うようになったんです。お金じゃないところで協力してくれるのが嬉しかったですね」


 利益が、金銭が先行して動く業界の中で、このような話は非常に稀なケースかもしれない。こういった人と人の繋がりを生み出した背景には、YoLeYoLeの音楽に対する姿勢があるのかもしれない。


ナオ 「私たちは自分たちで楽しく演奏できなくなったら終わりだなっていうのがあるんです。3人が集まったことも奇跡的なことだし、それをいつも感じながら演奏できる状態でいたいというか。お金のために…、ってなり始めたら良くないなって。気持ちがまず先にあって、他のことは後からついてくる……。私個人的にはそういうポリシーでやっています」


リュウジ 「僕もそう思う。やっぱ一番は音楽。いろんな人とセッションしたり、パーティーで演奏してみんなが喜んでくれるのが一番良いなって。音楽やりたくてバンド始めたわけだしね」


 音楽を楽しむことを最優先するというのはアーティストであれば当たり前のことなのだが、昨今の音楽シーンはそれがオルタナティブなスタイルとされるほどに商業ベースになってしまっている……。さて、ここからはいよいよフジロックの話へ。


リュウジ 「フジロックには客として何度か(行ったことがある)。フジロックって憧れだったってういか、やっぱ日本で一番のビッグフェスだから、そういうところにYoLeYoLe の3人で出れるっていうのは嬉しいですね。それに……、ちょっと自慢できるしね(笑)」


ナオ 「フジロックを目標にやってきたわけではないけど、たくさんの人に見てもらえるきっかけになるっていうところですごく嬉しかったな。」


コウヘイ 「フジロックは憧れだったわけじゃないけど、そこで演奏できるのはすごく嬉しい。(フジロックに限らず)いろんなイベントに出たいからね。(モチベーションは)それと変わらない。そのときそのときに呼んでくれた場所に行って、そのときそのときにベストを尽くす。それで、そこのみんなと一緒に遊ぶ。そうやってずっとやってきたから。(フジロックは)ちょっと不安なんだよね、人が多過ぎて全員と遊べないし。それはしょうがないんだけど……」


 『フジロックを目標にやってきたわけではなく、そのときそのときにベストを尽くす』という気持ちが皆、根底に共通してあるようだった。最後にフジロックに向け、メンバー各々にコメントをもらった。


ナオ 「(YoLeYoLeの出番の)次に出るのがグッドラックヘイワっていうバンドなんです。昔一緒にバンドやってた子だから、もうそれだけですごい上がちゃって……。あとフジロックは目当てにしてたバンド以外の出会いがあるのが良いなって。たまたま通りかかったところで『あれー、これ良いじゃん』みたいな出会いがあるところがすごい好きで。そういう風にヨレヨレと出会ってくれる人がいてくれたら嬉しいです」


コウヘイ 「せいかつサーカスが見たいなぁ。いやぁ、彼らは最高にハッピーなバンドだよ。あとbobin(ボビン)。ボビンの歌は鳥肌が立つからね。それとフジロックまでのドライビング! ここはリアルに欠かせないところだから(笑)」


リュウジ 「The chemical brothers(ケミカルブラザーズ)出るんだっけ? 昔大好きだったから見たいなぁ。あとはやっぱせいかつサーカス。今までセッションしてきた仲間が出たりすると応援しに見に行きたくなる。アヴァロンのステージって、(目の前が)坂で気持ち良い場所だから。たまたまアヴァロンに来て、なんかここ落ち着けるとか、ひょんなことからその場所にいてくれて、あったかい空間になったら良いな」


 以上、今年初出演となるYoLeYoLeのインタビューでした。日曜日の正午、ステージ裏の飲食ブースで昼食を買った後は、アヴァロンの丘に腰をかけ30分だけ彼らの音に身を委ねてみてはどうでしょうか? また7月19日にはファーストアルバム『ひかり』のリリースパーティーを行うそうなので、興味が沸いた方はこっちで予習していくのも良いかもしれません。どちらも心地ち良い時間を過ごせることを約束します。


『ひかり』発売記念 ワンマンライブ
2007.07.19 @ 横浜 THUMS UP
※詳細はYoLeYoLeホームページで。


○YoLeYoLeオフィシャルホームページ
http://www.yoleyole.com/


Interviewed by Org-funa
Photo by Org-naoaki