FUJI ROCK FESTIVAL'06 感動記

江田さんの感動記

 この3日間、とにかく音楽のことだけを考えて過ごした。そして、どれだけ可能な限りたくさんロックを愉しめるか、それにはどうしたらいいのかを考えて過ごした。

 ライヴ中にお腹が空かないように、ご飯をもりもり食べた。ライヴ中にトイレに行きたくならないように(ちょっとだけ)ビールを控えた。次のステージはどっちに行くか、真剣に悩んだ。(それは、時々はずれ、時々当たった)

 長靴にしようか、スニーカーにしようか、こんなに悩むことはこれから先の人生でそうそうないだろう。そして、突然の雨に、長靴を取りに駐車場まで戻った。長靴を取りに、雨の中片道30分を歩くことは、これから先の…

 太陽の光をこんなに愛しく思えたことはなかった。木陰の涼しい風をこんなに心地よく、ありがたく思えたことはなかった。意地悪するように突如として降る雨さえ、受け入れてしまう自分がいた。

 会場に着いて、朝イチの乾杯をしたら、それぞれ自分の計画通り行動するから、友人たちにはたまにしか会わない。時々、どこかのステージで再会すると少しほっとする。それぞれの時間のことを報告する。そのライヴがどれだけ素晴らしかったのかを一生懸命説明する。うらやましかったり、うらやましがらせたりする。

 ひとりで次のステージが始まるのを待っている。何気なく撮ったカメラに映っている観客たちは、みんな素敵で、カッコよくて、かわいらしいなと思う。どうして、ライヴを愉しむ周りの人たちの横顔は、あんなに美しいのだろうと思う。

 それもこれも、みんな音楽のせいなんだ、ロックのせいなんだ。フジロックという空間で、ロックを愉しみたかったからなんだ。

 クロマニヨンズでヒロトとマーシーに再会できた。アジカンのフジロックストーリーに思いを馳せた。Franz Ferdinandはグリーンのトリを胸を張って務められるバンドに成長していた。Junior Seniorの底抜けに楽しいダンスミュージックに、観客は雨にやられていることをものともせずに、全員笑顔で踊り続けた。Yeah Yeah Yeahsは'06年現在における最もいびつで、最も正しいロックンロールだった。レッチリはやっぱり最強の怪獣だった。Broken Social Sceneはあったかっくて、はちゃめちゃで、大好きになった。

 それは、夢みたいな3日間だったのかも知れない。日常からかけ離れた時間だったのかも知れない。

 だけど、僕は、確かにあの場所で、生きているということを実感していた。1年に3日間だけ訪れる、ロックまみれのあの時間は絶対に現実だった。未だにハサミを入れられない、左手のリストバンドが、その証拠だ。日常はまた始まる。ハサミを入れたら、また始まる。でもこの3日間は、夢じゃない。天国でも桃源郷の話でもない。日常と同じ場所にある、関越道路を上ったら、絶対にそこにある地続きの現実なんだ。

 また1年、いいことばかりはないだろう。そんなことは当たり前だ。この3日間だっていいことばかりじゃなかっただろう?でも、楽しかっただろう?また、あの場所で、フジロックで、会おう。それまで、自分なりの最新型のロックンロールを見つけながら、過ごそう。それは、きっと、緑か赤か白か橙か天国か、来年のどっかのステージで鳴っている音楽かもしれない。

photo by ORG-saya38
text by 江田

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