かつては「世界一クリーンなロックフェス」と呼ばれ海外アーティストからも絶賛されたフジロックも、近年は気のゆるみか結構ごみが目立つようになってきました。「正直、他のフェスの方がきれいだなぁ」と思うこともあったり。
だけど、「フェスできちんとごみを分別しよう」とか「フェスでリサイクルに協力しよう」という意識をロックフェスの参加者に植え付けたのは、フジロックが最初だったし、それをサポートしてきたのがA SEED JAPAN(ASJ)であることは確か。今年はフジロックでどのような活動をするのかASJに聞いてきました。
【入場ゲートでごみ袋を配布】
まずはいつもの通り、入場ゲートでごみ袋を配布します。このごみ袋は、昨年フジロックの会場で回収されたペットボトルをリサイクルしたもので、これを12万枚(!)配ります。ごみ袋のデザインは、ASJオリジナル(画像参照)のもの、タワーレコードのオリジナルのもの(2種類)、そしてRAGTAGオリジナルのもの、計4種類あります。どれになるかは当日のお楽しみ。ごみ袋ではあるけど、一時的な雨をしのいだり、地面に座るときのレジャーシート代わりにしたり、会場で汚れた洗濯物を入れたりと、いろんな用途に使えるし、デザインの完成度から記念品にもなりそうです。
【ごみ箱で分別のナビゲート】
会場内外23ヵ所にあるごみ箱で、ボランティアが分別の案内をします。ごみは7分別。初めてフジロックに来る人もちゃんと案内があるので迷うことはないでしょう。そして、きちんと分別されたごみは、それぞれリサイクルされます。ペットボトルは翌年のごみ袋になるし、紙コップはトイレットペーパー、割りばしは建築資材……というように、ごみ箱が終わりではなく、そこからさらに循環するようになっています。
去年は、ペットボトルのキャップを換金して東南アジアの子供たちのワクチン代にしました。集めたペットボトルのキャップで7,490円分のお金になり、374人の子供たちを救うことができました(ご協力ありがとうございました!)。ところが、たくさんの方々の協力があって、大変な労力で集めたキャップは、その輸送費に10万円以上かかってしまったとのこと。これだと経費の方がはるかにかかるので、今年はペットボトルのキャップをリサイクルして、公共施設のベンチにすることにしました。もちろん、まだまだワクチンが必要な子供は多いので、キャップとは別に直接寄付することを呼び掛けています。詳しくはここ。
【ecoアクションキャンペーン】
グリーンステージ客席エリア後方のグッズ売り場の近くと、ホワイトステージ客席エリア後方(川を渡ってすぐのあたり)の2ヵ所で、ecoアクションキャンペーンをおこなっています。これは、ペットボトルのラベルをはがしたり、キャップを外したり、紙コップや割りばしをきれいにしてリサイクルできるようにするという再分別作業を、一般のフジロックの参加者にもやってもらうというものです。ちょっとした空き時間を利用して作業をおこなってもらい、作業の後には、タオルや風呂敷などのグッズをもらえます。つまり、「あ、やべ、タオル忘れちゃった」という人もecoアクションキャンペーンに参加してもらえば、タダでタオルをゲット! なのです。
【その他】
フジロックの飲食店で使われる資材を環境に配慮したものにしています。フジロックでは、おなじみのケナフ(自然素材)で作られた紙食器や、国産の間伐材を使用した割りばしに加え、今年は植物性原料で作られたプラスチックカップが登場。カクテルなどを飲む人はそのカップにも注目してください。
そしてキッズランドでも、子供たちにごみ箱をペイントしてもらい、飾った後、その絵はフジロックの思い出に持ち帰ってもOKになるようです。
こうしたいろんな活動で環境のことを身近に感じてもらい、「世界一クリーンなフェス」の称号を再び苗場に戻そうじゃありませんか。
org-nob, photo by nob and A SEED JAPAN