明日、4月4日と明後日の5日と代々木公園で開催されるのが『Spring Love 〜春風〜』と呼ばれるフェスティヴァル。音楽を通じて、平和・非戦・非暴力の尊さを訴えるということで、入場無料で開催されます。東京ではサクラも満開。ポッカポカに暖かくなっているという時期でもあり、ちょいと会場を覗いてみればどうでしょう? フジロックにもつながるさまざまなミュージシャンやアーティストが、いっぱい集まってきますよ。

 詳しい情報は公式サイトで確認していただきたいんですが、ライヴを中心としたスプリング・ステージとDJを中心としたラヴ・ステージを用意して、お昼頃から夜の8時前後まで続けられるとのこと。すでに活動休止を宣言している犬式(a.k.a. Doggystyle)は「花と散るセット」と名付けて4日に演奏することになっていますが、これが大きなステージでは最後のライヴとなるはず。だからこそ、「花と散る」んでしょうが、桜吹雪の中で「粋な」演奏を楽しみにしている人も多いのではないかと思います。ちょいと複雑ですが…

 その他、リストを見ると、OKI DUB AINU BAND、KEYCO&鼓響、poodles、maccafat、サヨコ meets Planet Sounds、立岩潤三、ブルース・ザ・ブッチャー (永井ホトケ隆・沼澤尚・中條卓・KOTEZ)、花族、花 & フェノミナン、Ailie、Percussion du MATAI、ANICHE、ランキンタクシー & 東京レボリューショナリーズ、亀渕友香&VOJA、Likkle Mai & The k、一龍斎春水、サルサガムテープ、YOSHIE、ARTMAN、DJ Gerry & DJ Chiaki、HIYOSHI、DJ YOGURT、工藤 “BIG H” 晴康、清野栄一、MASA、REE.K、SINNといった名前が挙がっています。

 さらに、トーク・セッションもあるようだし、平和運動を続ける団体のブースから写真展、オーガニック・フードのブースからライヴ・ペインティングなど、さまざまなものが楽しめるようになっているようです。

 おそらく、これだけのミュージシャン達を集めてのライヴとなると、いくらノー・ギャラで演奏してくれているとしても、大変なお金がかかっているに違いないと想像しますが、会場のところどころに寄付金を募る箱が設置されているとのこと。集められたお金は運営費や平和運動団体に寄付されるとのことです。できるだけ数多くの人が集まって、こういった動きをサポートしていけたら素晴らしいと思いますね。

 音楽でなにができるのか? もちろん、ネガティヴな考え方も、斜に構えた言い方もいっぱいあるのはわかりますが、されど音楽。どこかでなにかが微妙に動いているのもまた事実なのです。例えば、おそらく、誰でも知っているといってもいいほどのボブ・ディランの名曲「風に吹かれて」。(名作『The Freewheelin’(フリーホイーリン・ボブ・ディラン)』に収録)まだ、黒人には選挙権も与えられていなかった時代、公民権運動からヴェトナム反戦運動を通じて、プロテスト・ソングの象徴的な存在として、この歌が歌われていたこともよく知られています。そして、この曲に感銘を受けたソウル界の巨人、サム・クックが「これこそ、私たちが作らなければいけなかった歌だ」と、アンサー・ソングのような形で生み出したのが「A Change Is Gonna Come(ア・チェインジ・イズ・ゴナ・カム)」。(まるで21世紀のアメリカでの大きな変化を予言したかのようなタイトル、『Ain’t That Good News(いいしらせじゃないか)』のアルバムに収録)実は、先のアメリカ大統領選挙を前にこの曲が多くの人に歌われていたのをご存知の方も多いのではないでしょうか。その極めつきがこの映像です。まるでサム・クックに返礼するように、ボブ・ディランがこの曲を歌っているのです。もちろん、これだけで、アメリカに変化が訪れたのではないは明らかですが、こういったイヴェントを通して、音楽のこと、平和のことを考えるのもよきことかなと思います。