■その辺の音楽と言えば去年から始まったエキストリーム・ザ・ドージョーだと思うのですが、エキストリーム・ザ・ドージョーのコンセプトを教えていただけますか?
ショー・ケースって一つのレーベルがお金出して、レーベルのショーケースみたいな感じでやるやんか。じゃなしに、レコード会社の枠を越えて、トイズファクトリーとビクターとハウリングブルっていうインディペンデントのレーベル3つと一緒にやってんねんけど。で、そういうのからメタル、ハードコアのミクスチャーイベント? 日本のシーンってちょっと、まぁ、ハードコアとメタルの客層ってちょっと違うんですよ。
で、それを一緒にしたいなと。その、客を。もっと相互のやりとりっていうか、お客さん同士を吸収して。で、こういうのをやろうって思ったのが、去年ナパーム・デス呼んだ時に思ってん。その前にその複線としてヴェーダー(ポーランドのデス・メタル・バンド)があって。ヴェーダーやって、大阪で250、東京で600入って。ヴェーダーのレコードのセールスは8000枚。それでこの規模でこれくらい入るんやと思ってん。ナパーム・デス、レコードセールス変わらへん。で、音も似てる。と思ってやってんけどもヴェーダー程入らへん。
なんで? ヴェーダーはメタルとしてとらえられてて、ナパーム・デスはもっとハードコア的なとらえられ方してるんよね。で、メタルの人はそこには行かへん。メタルの客層を取り入れて、絶対メタルの人が聴いてもかっこええ思うバンドやし、ええと思うのに、聴かへんのはもったいないんちゃう?ていうので、こういうのをやらなあかんなぁっていうのをトイズファクトリーの担当の人と話したりしてて、「実は俺らもそう思ってるです」って。で、そういうのからはじめて、ビクターのメタル好きの担当の人と、ハウリングブルでグラインドとかデスメタルとか担当してるやつと一緒に、なんかこう、お客さんをミクスチャーしようと。
で、もちろんステージもミクスチャーになっていかなあかん。向こうではそういうのが主流になりつつあるっていうかね。スリップノットとかもそうやし。でも、日本でスリップノットがどういう風にとらえられてんのかその実情はよくわからへんね。音がアメリカでよくある、ニュースクール系のハードコア&メタルみたいな。そういうものやのに、なんで(キッズが)それに飛びついたかって言うたら、やっぱりマスクしたりして、こう、要するに昔のキッスやんか。そういうとこに飛びついてるだけちゃうん?みたいな、なんかそういう風な気がしてるねんけど。
でも、そこにそれを聴きに行く層がいるっていうことが、俺らとしては重要で。BEAST FEASTいうイベントが去年あったんよ。横浜アリーナで。あれに集まってくる客っていうのが、5,000人から7,000人っていう層がいて、メタルハードコアが好きな人がそんだけいんねやと。もちろんパンテラとかスレイヤー見て、貫禄も感じるし、ええなと感じるけど、それよりもやっぱり、その前に出てたソイレント・グリーンとかシャドウズ・フォールとかああいう風なのに若さも感じるし力強さも感じるし。そういうのを延ばしていきたいなぁっていう。で、その延長かな、ドージョーって。
実は俺的にはVOL.3より、VOL.4の方が好きやねん。ソドム、ディメンション・ゼロ、ダイング・フィータスっていう結構メタル・テイストのあるやつより、ウイル・ヘイブン・コンヴァージュ・ロックアップっていう、ああいうエキストリームの究極みたいな。ほんまに究極。エキストリームの究極言うたら頭が頭痛っていう感じやんか(笑)。だから、そういうあの辺とかがポスト・ハードコアっていうか、NU METALっていうシーンを作っていくっていう気がしてて。まぁ、こう、新しいね、ウドーさんとかクリエイティブマンさんとかがやってきたのと違うメタルをスマッシュがやっていきたいと。伊藤さん(伊藤政則)とかは結構エキストリームザドージョー気に入ってくれてたりするよ(笑)。伊藤さん結構俺も好きで、怖い人みたいなイメージがあるみたいやねんけど凄いいい人で。俺らと同じくらいの年かと思うんやけど、新しいことには柔軟な考えもった人やし。今、ほんとその辺の音の事とか真剣に語らせたら凄い人なんちゃうかなと思うよ。プログレも好きやしね。802でPFM(イタリアン・プログレの重鎮)とかかけるし(笑)。802でそんなんかけるやつ誰やねん!と思ったらセイソクさんの番組で。
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Intro/Part1/2/3/4/5/6
reported by ORG-w.a.l.k. and photo by ORG-ikesan (May 25, 2002)