アーティスト情報 : Gogol Bordello(ゴーゴル・ボデーロ)
Posted on March 31, 2008
Filed Under アーティスト情報 |
photos by Miyuki Samata
先日、SXSW取材でテキサスはオースティンに出かけた帰り、しばらくニューヨークに滞在していたんですが、そのときに出会ったのが今回、原稿を追加することになったゴーゴル・ボデーロのマーチャン(Tシャツ等の販売)をしている人物。かつてジャーナリストとして、残念ながら廃刊となってしまったイギリスのカルト的な音楽誌、Straight No Chaser(ストレート・ノー・チェイサー)で執筆していた人物なんだが、彼からゴーゴル・ボデーロの話をいろいろ聞いた。雑多な人種の坩堝であるニューヨークを最も如実に反映したメンバーや音楽性、そして、巷で人気となってきているバルカン・サウンドやロック・ラティーノの話… おそらく、そんな意味で最も旬なバンドのひとつが彼らなんだろう。そのあたりの話も含めて、バスクからスペインのバンドを精力的に取材しているtaikiから、こんな原稿が届いています。
いま一度、アーティスト写真を見てみよう。メンバーの胸元には、マノ・ネグラにストラマーヴィルT……この大物2枚づかいだけでお腹いっぱい。大騒ぎ確定だ。
SXSW’06@オースティン(テキサス)にて、ロカビリー+パンクのリヴィング・エンドや、アイリッシュ+パンクのフロッギング・モリーら、日本でも人気のあるバンドを前座に追い落としたのが、当時、日本では知名度どころか音源の入手すらままならなかった、自称「ジプシー・パンクス」のゴーゴル・ボーデロだった。ライブ・アースにて、マドンナをまんまと喰ってしまったあの2人が属するバンドである。
今回の発表で、ゴーゴルは気になる存在の筆頭に躍り出たのだが、自分自身、いまだに日本語表記には自信がなく、彼らの情報の少なさを痛いくらい感じている。それだけに、是非とも見て予想不可能なライブに驚いて欲しい。去年は未遂に終ったが、今度またフロッギング・モリーと一緒に来日するようなことがあるならば、扱いや立場は拮抗、あるいは逆転していることだろう。
チェルノブイリ難民としてウクライナからニューヨークへと流れてきたユージン・ハッツが中心となって結成されたバンドは、移民と文化、そして情報の集うNYという街を象徴している。仲間うちにはバルカン・ビート・ボックスがおり、先日シンク・オブ・ワン、渋さ知らズオーケストラとの日本公演が発表されたばかり。こちらも合わせてチェックしてみると面白い。
さて、ゴーゴルだが、見た目からしてありとあらゆる文化が匂ってくるうえ、フィドルやアコーディオンから立ちのぼる中東や東欧独特のメロディーに乗っかる言葉はひどい訛り。終始ベタベタでドロドロなパフォーマンスで圧倒し、あたりかまわずジプシーの色を塗りたくる。唾を手のひらにたらしてポマードのように頭へとなすりつけるユージン、要所で飛び出してくる踊り子二人の絶叫、白髪のフィドル弾き・セルゲイは顔を紅く染めて奮闘し、さらにはマノ・ネグラ”マラ・ヴィダ”のカバーという反則技もありつつ、何より驚いたのがオーラス。踊り子が持ちだした大太鼓がオーディエンスの上を流れ、その上でユージンがアコギをかき鳴らすという光景を見たときには、目と、ライブの限界を疑った。予備知識も何もないまっさらな状態に降りかかったパフォーマンスにぶっ飛ばされ、パスポートと全財産を持ったままダイブし、さらにライブ後にはカメラマンともどもポケー……しばらく放心状態から抜け出せなかった。
それ以来スケジュールをチェックするようになったのだが、これが驚くほどタイト。毎年「ライブの虫」と言ってもいいくらいのツアーをこなしている。去年のボナルーでは、一発でそれとわかる雑多な音に上気したオーディエンスが、カラカラに乾いた土埃を舞いあげて、レッドマーキーと同サイズのテントが一面まっ黄色に。翌週のグラストではメインのピラミッド・ステージに登場し、これまた盛大にぶっかまして、名物のぬかるみを激しくストンプさせていた。どちらも、彼ら目当てで行ったわけではなく、たまたまそこに出演していただけだ。ここ数年はみさかいなしにフェスに出まくっているようで、フェスからフェスへのハシゴも驚くようなことではない。「最強のフェスティバル・バンド」の称号に限りなく近い存在と言えるだろう。
また、ユージンにはDJハッツとしての顔もあり、パレス・オブ・ワンダーのテントをさらに怪しくしてくれる可能性もある。希代のエンターテイナーがあの小さなスペースに登場したらば、夜もうかうか寝てられないのだ!
written by Taiki Nishino & photos by Miyuki Samata
archives:
–>Smashing Mag
–>ジプシー・パンクス、本領発揮(Fuji Rock Express ‘08)
–>ジプシーのレベルがオーディエンスを飲み込む(Fuji Rock Express ‘08)
–>@ White Stage(Fuji Rock Express ‘08)
–>What a great is tent party!(Fuji Rock Express ‘08)
–>I haven’t danced like that since I was 18 years old(Fuji Rock Express ‘08)
–>It’s all about the GogolFuji Rock Express ‘08)
(前回更新分)嬉しいことに、今回はfujirockers.orgのスタッフではなくて、ここに集まってくれるフジ・ロッカーズのひとり、ペンネーム、コンペックスさんから送られてきた情報です。アーティスト発表と同時に届けられたアーティスト情報。わかるねぇ、気持ちわかるねぇといったホットな文章。まずは、ご覧あれ。
NYの国際的なコミュニティーから産まれ、自らを「ジプシーパンク」と呼ぶ熱いバンド、Gogol Bordello(ゴーゴル・ボデーロ)。お洒落とはほど遠く、テンションMAXのかなり熱いLIVEを披露するバンドで、アコーディオン・バイオリンの生音を強調し、ニューヨーク産なのに楽器編成と共に、メロディーもヨーロッパ的な印象が強い。MANU CHAO(マヌ・チャオ)などの国外のアーティストとも積極的に交流し、FUJI ROCKファンとしてはFERMIN MUGURUZA(フェルミン・ムグルサ)、BANDA BASSOTTI(バンダ・バソッティ)、FLOGGING MOLLY(フロッギング・モリー)などのミクスチャーパンクに心打たれた方は必見の大注目バンド! 毎年どこかのステージで起こる予想外の大波乱はこのGogol Bordello(ゴーゴル・ボデーロ)が起こすに違いない!
written by コンペックス
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posted by hanasan