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Jul . 5
1999
FUJI ROCK FESTIVAL 97

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How 2 survive & Have fun !
'97 連載
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第2回:フェスティヴァルはもう始まっている

 目の前にどでかい富士山の表情が目に入る。残念ながら、それほど天気が良くなかったので、頂上は見えなかったけど、まずは圧倒的されるのが富士山の迫力だ。月並みなのは重々承知で書いてしまうけど、やっぱり、富士山ってとてつもない迫力を持っている。その昔、山中湖のジャズ・フェスティヴァルを見に、自宅のある小田原から来るまで出かけたとき、峠を越えた時に突然姿を見せた富士山にどきっとしたことがあるけど、それと同じような感覚かな。この4月16日、スマッシュのスタッフ、ステージを作る裏方さんたち、そして、会場でレストランをやろうとしている仲間たちと天神山スキー場に行ってきたんだけど、これは素晴らしい会場だわ。なにか、霊的なものを感じさせるっていうのか、ここからとんでもないフェスティヴァルが生まれるような気配を感じるんだよね。そのあたり、SITE MAP で公開されている空撮の写真を見ればわかると思うけど、すごいよ。

 さて、この日の目的はステージを設置するための測量とか、「規制の厳しい日本で」いかに快適なフェスティヴァルを作れるかをチェックすることだった。まずは、メイン・ステージだけど、ミュージシャンがあのデッカイ富士山を望みながら演奏するという格好で、その前には少なくとも30000人ぐらいは収容できる。しかも、スキー場ということもあって、ステージから離れるに従ってほぼ均等にスロープになっているので、若干離れていてもステージがよく見えるのがいい。これは観客には嬉しいだろうね。難点は中央に林があること。でも、これはステージからかなり離れているし、そのあたりにミキシング・デスクを置くので観客のじゃまにはならない。やったね、スマッシュの大将!あんたが、やれ「アウトドアだ」「自然の中で遊ぶのはいいぞ」といってワイルドなジープで遊びに行っているのを、ただのボヘミアン的な趣味だと思っていたが、ちゃんと仕事をしていたと改めて実感。いい場所を見つけてくれたよ。

 東京じゃぁ、かなり温かくなってきたというのに、この日は寒いのなんの。息が白くなるほどで、みんな身体を小さくしながら、作業開始だ。まずはステージ位置を決定するというので、「いやぁ、これじゃぁ、ちょっと傾斜が…」とか、そんなことをいいながら、最高の場所を設定しようとしているんだけど、ここでまたしゃしゃり出てきたのがスマッシュの大将。
「ちょっと待てよ、それじゃぁ、観客のスペースが小さくなってしまうじゃないか! それをやっちゃぁいかんよ。そりゃぁ、スタッフが仕事をしやすいようにするのはわかるけど、一番は観客なんだから」
 まぁ、あんまり大将の宣伝はしたくなけど、これ、原点だよな。スタッフがいい仕事をしても、結局は、観客とミュージシャンが「今日は最高だったよな」って言ってくれるようなイヴェントにしなければ意味がない。普通の学生だったら、1週間やそこらはバイトでもしなければ稼ぎ出せないような金がかかるんだ、そりゃぁ当然だ。


 とはいいながら、大将がミーティングの最中に(しかも、この会場のお偉いさん達とだよ!)「おい、見てみろよ、鹿が出てきた!」だってよ。ああ、どうしようもねぇ。しっかりミーティングしてくれよと言いたくなるのだが、気持ちはわからなくもない。ただ、大将の場合、それに尾ひれがつく。
「いいか、これは絶対にウェッブ・ページに書いておいて欲しいんだけど、だからなんだよ、自然を大切にしなけりゃいけないのは。こういう場所なんだから! みんながそんな気持ちでフェスティヴァルに集まってこなきゃいけないんだ」
 まぁ、そうだよね。できるだけごみを出さないとか、たばこを吸ってもいいけど、(空気がいいので、あまり吸いたい気分にはならないと思うけど)吸殻はポケット灰皿を持ってくるとか、きちんと火を消してごみ箱に捨てるとか、そういった神経はもっていて欲しいよね。

 さて、サブ・ステージの方なんだが、これは富士山に向かって右側にある駐車場。でも、思うに、ここだって、10000人ぐらいは収容できるぞ。ただ、地面が草地じゃなくて、砂利を敷き詰めている感じだから、ここだけをとったらただの野外コンサート風で、面白くはなかったけど、そこから一歩メイン・ステージの方に足を踏みだせば、そこはキャンプ場でその隣がマーケット・エリア。自然の中にうまく街ができあがるという感じで、実にいい。

 いずれにせよ、フェスティヴァルには絶好の立地だ。確かにグラストンバリーほど膨大な敷地じゃないけど、あそこと同じように神秘的で荘厳で気持ち良くて… そんな雰囲気は十分にある。楽しみだねぇ。

  ということで、あまり長くなると重たくなるので、続きは次回。

written on the 23rd April. '97

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