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やってきたよ、コートニー・ラヴ!
あんたはまたヒステリーの女に共感を覚えてる、と旧友に言われても、だれに何と思われてもいい。ただ言いたいのは一つ。コートニーは十代のあの荒ぶる剥き出しの魂を再び私達に突き出したのだ。昔のコートニーが戻ってきた。私自身、思い入れたっぷりに涙したHoleと出会った夏にすっかり帰れてしまった。
2曲ほど演奏したのち、メンバー紹介MCの最後に、"I'm …just a girl!"、'コートニーが言うと、会場はそれに反応し、ざわめきが起こった。
その言葉のとおり、コートニーはまた、ただの女の子として帰ってきた。
バンドのメンバーは全員女子という一見華やかなステージ、でも、もうこれで行くしかないでしょうというくらい、力強くコートニーを支えていた。コートニーがバイセクシュアルである(あった?)とか、いろんなことは知っているが、それらを度返ししても、赴くままに演奏する曲をステージ上で決めちゃう彼女の振る舞いをふくめて、あのバンドのメンバーでしか共有できないことなのだろうと思う。ソロ活動を始めたことは知っていたが、楽曲はほとんど聴いていなかったので、Hole時代のスタンダードな曲をいっぱい演奏してくれたことはとてもうれしかった。(正直に話すが、終了後会場でそんなことを言ってる人がたくさんいた。)焦りと、不安と、チェーンスモークと、だみ声と。鬼子母神のような、世界の憎悪を全て背負ってたってやろうか、という気迫と、それと同居する確信犯的なみだらさとが、コートニーここに有りという安心に私達をいざなう。
「Celebrity Skin」以降の、突然の音楽に対する真摯さ、態度のクリーンさ、のみならずビジュアル的にも洗練されて綺麗になったコートニーの映画界への進出、モデル業での活躍ぶりに私達は「一人の女がいっぱしに更正したみたいですわ」という意地悪な視線を投げかけて、ロックファンと言う立場を投げ打って、彼女のおっぱいやら、金髪やら、何やらかんやらを消費してきた。
美しく生まれ変わったこと、それはそれで面白かった。コートニーだって言っている「いつまでも昔の大切な人の、死の思い出ばかりにひたっていられないのよ」と。女オタクすることがどれだけ精神によい効果をもたらすか、わかっていますもの、おねえさま。
コートニーが昔のコートニーに帰ったみたいだ、と私は書いた。でもその実、年はとったなあと思ったし、もうおなかいっぱい、そのネタ飽きた、という言葉を飲み込んだりもした。
つまりは距離を取りかねている自分がどこかにいる。トラウマ至上主義のHoleワールドと今の彼女と私との。

ざっくりとつかんだ印象では、コートニーのタナトスは明らかにHole時代よりも軽減している。ムンクの絵画のように、骸骨とダンスする少女の姿はもううっすらとしかない。マチュアになったといえば、そうなのかもしれない。でも単純にそうとは言い切れない。
アンコールのあとは、ピンクのブラジャーをはだけて、「こうしたら、こういう風に感じちゃうんでしょ。あん?」って、やっぱり最後は言いたかったように思うし、クレバー気取ってる場合じゃ、なかったんだ、私、ってコートニーが、そのブラジャーの奥の奥の心の中で高笑いしてるように感じた。私もそれには共感だ。
written by 平澤晴花
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album and singles info
Courtney Love
Mono : (MAXI US import) / (MAXI UK import)
America's Sweetheart : 国内盤 (CCCD) / US import
Maximum Courtney Love (UK import)
Hole: In Conversation : US import
Hole
Celebrity Skin : 国内盤 / UK限定盤bonus Live CD付き / US import
Celebrity Skin (MAXI) : MAXI US import
Pretty on the Inside : US import
Live Through This : US import with a bonus CD / 国内盤
Ask for it : MAXI US import
オーフル : MAXI 国内盤
Awful, Pt1 : MAXI UK import (enhanced)
Awful : Australian Tour : MAXI US import
The First SessionMAXI US import
他多数----------------------
「感動したよ、アーティスト紹介」というコンセプトで続いているこのセクション、いつもみなさんの原稿を待っています。単独のアーティストに関してはartists@fujirockers.orgまで、Subjectに「感動したよ、アーティスト紹介」と書いて、そして、今年のtop5に関してはtop5@fujirockers.orgまでSubjectに「今年のtop5はこれだ!」と書いて、最低600文字ぐらい目安で原稿を書いてメールで送ってください。さてさて、みなさんは誰に感動しました?
(September 02, 2004)
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