モダンな和の空間にエリック・サティの曲が小さく流れている。大人っぽく遊べる雰囲気が魅力の割烹「ひら山」。このお店のほかにキャンプ場経営をしているご主人の平山さんは、日高大将やワールド・レストランの中心人物、ソロモンさんのキャンプ仲間でもある。
ふたりのことを語る彼の言葉は、身近な人間だけに感じられる深さがある。97年、嵐のフジロックの出店経験をもつ平山さんは2日目の朝をこう語った。
「なにかしなくちゃいけないと思って、みんなのために大ナベふたつ分豚汁作って。その後、事務所に行ったら日高さんが『フジロックの中止を決定した』という。男をくくった日高さんの顔は……、忘れない。ソロモンさんもあの時の思いはまだ消えてないだろう。あのことで、ふたりのつながりは強くなったんじゃないかな」
皆が同じ苦しみを味わった97年を乗り越えたからこそ、今のフジロックがある。そんなドキュメントを心に刻んだ平山さんは今年、どんなフジロックメニューを考えているのだろう。
「関西風うどん」は、その場で揚げるかき揚げをのせて。この店の注目株「古代米の焼きおにぎり」は、古代米のおにぎりにさっとしょうゆを塗って焼き上げるという。また、焼きおにぎりの「お茶漬け」もはずせない一品。ああ、日本人でよかった。
日高大将とソロモンさんを「男として生き方に共感できる」という平山さんの、男気あふれる料理をヨロシク!