苗場の方と振り返る、フジロック04！

「'04年のお客さんの雰囲気は特に良かったですね」
フジロックを振り返って、こう語ってくれたのは、苗場観光協会の方。苗場での開催は六回目を数え たフジロックを、地元の方はどう受け止めたのか。苗場観光協会の方にお話を伺いました。'05年のフジにワクワクしているあなたも、これを読んで'04年の思い出がよみがえってくるかも。 いよいよ2月に苗場で開催される、スキー・ワールドカップの見どころも教えてもらいました。

　'04年のフジロックの最大のニュースといえば、チケットが三日通し券のみになったことでしょう。苗場の方たちは、これをどう受けとめていたんでしょうか。

「この地域はメインが民宿じゃないですか。お客さんの入れ替えがなくなるから、泊まる人は最低でも2泊以上になるってメリットがあるっていう捉え方がありましたよね。ただ、駐車場やコンビニをやっているところは、そこまで考えがいかなかったの。うちは駐車場をやっているんだけど、今まで駐車場がパンパンに入ってたのが、今年は去年の3分の1以下。コンビニや駐車場は売り上げが半減以下ですね」

　ここ最近聞かれるようになったのが、宿のサービスへの苦情や不満。もちろん全ての宿がそうではないにしろ、思わずがっかりしてしまうようなサービスの宿も出て来ているのでしょう。そんな現状は、「どんなにサービスが悪くてもお客さんが来てくれた」、かつての全盛期のスキーシーズンと重なって見えてくるといいます。

「フジロックが来ることに関してはすごく嬉しいんです。ただ、冬の再来が起きるのが心配だったんですよ。それがいま実際に起きてしまっているんですよ。 お客さんが3万人も来るイベントだから、泊まるところがないって言って、お客さんが飽和状態になる。そうなると、例えば、雨が降った日に足を洗う水やタオルを用意する宿がある一方で、何もしないで、しかも泥だらけの状態を見て『フジロックの客はろくでもない』なんて言う宿も出てくるんですよ。サービス業のサービスが何ぞやっていう根本を、忘れているんです」

　そんな状況に、観光協会の方々は、危機感を感じて、それを何とか改善しようと努力をなさっています。そのひとつとして、今年はこんな試みを行ったそうです。

「今年は、観光協会に加盟している方には、みんな苗場食堂を手伝ってもらうことにしたんですよ。今までは会場に来ない宿屋さんの人もいたんですよ。会場に来て苗場食堂を手伝うことで、お客さんとのコミュニケーションが生まれるじゃないですか。例えば、自分の泊まっている宿屋の親父さんが会場にいたら、『親父さん、今日は手伝いなの』って話ができるじゃないですか。それと会場でアーティストを見ることで、ぼくも彼らの名前とかは全然知らないですよ、でも会場に行って聴いてみることで、お客さんと『あのライブは良かったよね』って話す接点も生まれてきますよね」