燃えろ岩盤イズム
~ 5/28、29のスペースカウボーイとフジ渋谷ジャックを豊間根氏に訊いてみる。~
先週のニンジャチューンのイベントの時に、偶然岩盤スタッフの人を見つけたので話しかけてみると「今度の岩盤ナイトはすごいですから!もうスタッフ皆気合入ってますよ!」という言葉をいただいた。ほう!?どうすごいのかしら!ってなワケで、岩盤にマイクを向け、5/28、29に東京イエロー、大阪カーマで開かれるイベントのことや岩盤のこと、そしてフジロックに併せた展開など、色々訊いちゃいました。
Q:今回はスタッフ一同気合が入っているとのことですが、今までの岩盤ナイトと比べてそのモチベーションの方はどうでしょうか。
豊間根さん(以下T):「気合?普通です(笑)。ただ今までの岩盤ナイトとは全く違うものになります。」
Q: 違うもの、というと?
T:「まずお店の話になりますが、岩盤オープン当初ってお客さんがあまり来なかったんですよ(笑)。それで、活性化っていう目的で岩盤ナイトをやってたんです。ゲストも豪華でしたから盛り上がりました。でも、ある時考えたんですよね。「これ、意味ねーじゃん」って。イベントは盛り上がるけどそれで終わり。これは僕らの責任で、イベントを成立させることだけを考えてやった結果だったんです。いつまで経ってもショップへのフィードバックはないっていう状況。イベントをやっていても、岩盤の商品への興味には繋がらないって。
それで、今回からショップコンセプトと完全にリンクしたイベントをやろうと。今回のSpace Cowboyは、元々輸入盤をうちで扱っていたアーティストで、結構売れていたアーティストなんですね。SMASHと話して「やろう!」という運びになったんです。ただあくまでも僕らは素人なんで、ブッキング・チケッティング・プロモーションは、プロがすぐそばにいますから。SMASHにお願いしたと。」
--なるほど。確かに豪華ゲスト満載のイベントも魅力的だけど、フジロッカーズにジャストな岩盤のセレクションがプレイされるであろう、まさに文字通りな「岩盤ナイト」には期待が高まりますねえ。
Q:イベントは今後そういったスタンスで二回、三回と続いていくんでしょうか?
T:「そのつもりです。ただもちろん僕らはイベンターではないので、コンセプトにあったアーティストがいれば、っていう条件付きです。だからGAN-BAN NIGHT
SPECIAL[BREAKE ON THROUGH VOL.1]という名前も付けました。VOL.1というのはもちろんシリーズ化することが前提です。ただ無理矢理やってもしょうがない。コンセプトにあったアーティストがいればこれからも海外アーティストなどをブッキングして続けていきたいと思ってます。まずは今回次第ですね。とは言いつつ、すでに次のアーティストも考えたりもしてますが。」
Q:おっと!?では早速、その名前を...
T:「さすがにそれはまだ明かせません(笑)。」
Q:(...残念)では話を変えて、今回のサウンドカラーはどんな感じになりますか?
T:今回5/28西麻布YELLOWでは、Space Cowboyの他に、Duck Rock、YENTEKのRiow、そして岩盤から芹野。5/29大阪カーマは、Space
Cowboy+Duck Rock+岩盤の芹野+1名がDJとして出演します。もしかしたらあまり馴染みのない名前かも知れませんが、選曲とプレイは保証します。僕としてはトータルで最高のブッキングをしたつもりです。
岩盤芹野氏:今回のDJは皆Space Cowboyの所属しているレーベルのサザンフライド(Fatboy Slimのノーマンクック主催レーベルでロックテイストの強いハウスを中心に展開している。)に皆早くから注目していたので、そういったカラーの音を中心にプレイしていく感じになりますね。そこに今の岩盤のカラーが色濃く出ていくという。80's
ニューウェーブとかエレクトロクラッシュとかがかかるでしょうし、マッシュアップ・スタイルが得意なDJがいたり。5/28西麻布YELLOWでは、ラウンジフロアーにもDJを入れるつもりなので、そこではGAN-BAN
DJsが小さめな音で今の岩盤の売れ筋最新ダンスミュージックをプレイする予定です。
Q:おおーいいじゃないですか。ロックファンも楽しめそうな感じになりますね。
T:「そうですね。これは強く言っておきたいんですが、今現在前売りチケットは好調で、これは輸入盤しか出ていない現状でもSpace Cowboyのファンベースが十分あることの証明だと思うんです。ただこの現状で、前売りを買っている人は俗にいうクラブ人種の人達でしょう。やっぱり普段ロックを聴いて通常のコンサートに行っている人たちにとっては、オールナイトやクラブはちょっとハードルとして感じられているのかも知れない。でも今回はそういう人達にも是非来てほしい。きっと楽しめるだろうし。日本盤の発売(5/19)も決定していますので、普段輸入盤は買わない人たちも是非早めにチェックして、もし気に入ったら迷わず来て欲しいと思っています。当日券も出ます。クラブイベントで当日券がないというのは、僕はあり得ないと思っているので、100%当日券は出ますが、当日券を出す代わりに前売りが売り切れる可能性があります。それと値段が500円高くなる(4500円)ので、早めに前売りを買っておいた方が良いかと。
岩盤が取り扱うDISCのオリジナルセレクションを大きく分類すると「ロックと、ポップ・フィールドに切り込んでいけるダンスミュージック」。ロックファンとクラブ人種が幸福に混じり合っている「場」がフジロックとすれば、規模は数千分の一だけど、日常と地続きのクラブイベント/「場」を作りたいんです。
ここ宇田川町(渋谷の岩盤がある地域。数多くのレコ屋が存在し、一説によると世界で一番レコードが密集する地域だとか。)には本当に多くの音楽があります。ダンスミュージックについて言えば、シスコさんやテクニークさん、ダンスミュージックレコードさんにマンハッタンさんというように、それぞれのジャンルに特化した素晴らしいレコード屋さんがあります。その中で岩盤は普段ロックを聴いている人達に対して、十分アプローチできるダンスミュージックや、サウンドを中心にセレクションしています。今回のSpace
Cowboyもポップシーンに十分通じるダンスミュージックを展開しているわけで、そういう意味で本当に誰でも楽しめる空間になると思います。」
--確かにジャンル一つ一つに焦点を当てたら専門的なところは沢山あるのかもしれない。けれども、セレクトされた商品の中にある味というものはやはり独自のセンスが光っているんだなあというのが分かる。どこに行っても置いてなかったThe
Avalanchesの初期のアナログを発見した時に僕はそれを痛感した。

余談だけれど、岩盤はそういった独自のセンスを堪能できる工夫も凝らしている。店内の視聴機に置かれているのはiPODで、並んでいるCDの内容をかいつまむ事が可能になっているし、お店に来られない方にもウェブ上のショップサイトにて自由に視聴することが可能になっている。このサービスは地方の方だけでなく、僕のような出不精人間には大変ありがたいものだ。
reported by ORG-ryoji and photo by ORG-hiroqui.
(May 19, 2004)
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