
Fuji Rockin' People Vol.2 --羽仁カンタ氏--Part1
――今まで印象に残ったことや、お客さんの変化で気づいたことはありますか?
最初にビックリしたことは、今までテクノやトランスのレイヴやレゲエとかの野外イベントの活動していたのだけど、お客さん向けのごみはリサイクルするけれども、主催者やアーティストはそうは言っても別だよというのが主催者の答えでしたが、フジロックの主催者はお客さんにやらせるなら当然自分たちもやりますよ、という姿勢があって良かったです。ロックスピリッツってこういうものじゃないかと思いました。みんなが協力して作っていこう、という気持ちを作りたいというのがすごくクロスしていますね。
他のイベントの活動もやっていますが、主催者のバイブレーションというか、やっていて楽しいのはダントツにフジロックですね。ごみ箱の位置なんて我々がやることを、スタッフの人まで入ってああだこうだ話し合うし、筋さえ通っていればきちんとできるのでやりやすいです。
お客さんのマナーは年々良くなっていますね。ウチらの活動も認知されているし。驚いたのは(A SEED JAPANが参加した)初年度の98年の終わった時に「これ、ウチのボランティア!?」と思うほど、みんながごみを拾ってくれたことですね。ボランティアの活動は、帰れなくなる人もいるんで20時頃に切り上げてしまうのですが、お客さんが拾ってくれているのを見て凄いなあと思いました。
ここまで来ているので、あとはハード面の改善――食器を使い捨てじゃないものにするとか――ハード面をいじれば、ごみはもっと減らせると思います。あとは、音楽だけを聴きに来るじゃ無くてフジロックという街に遊びに来て欲しいですね。サーカスもあるし、オーガニックコーヒーも飲めるし、リサイクルをやっているし、NGOもあるし、博物館もあるし、レストラン40軒以上あるし、アーティスト目当てでなく遊びに来て欲しいという気がします。
――何かエピソード的なものはないですか?
ステージに上がって話する人って普通のお客さんの所にあんまり行かないじゃないですか。だけど、僕は結構、そこらでごみ拾ったりしているんですよ。そうすると、さっきの話は面白かったですよと声をかけてくれたり、隣に座ったお客さんからタバコ貰ったりとお客さんとの交流があることですかね。
――では、素朴な質問をいくつか。まずは、スタッフの人はライヴを観ることはでき るのですか?
シフトで動くので、おおざっぱに言って200人ボランティがいるとすれば、100人働いて、100人休んでいます。3時間交代のシフトで自由時間があるときは観ることはできます。シフトも早番、遅番があって、早番は朝6時から17時までです。遅番は昼の12時から20時まででそれ以降は自由時間ですね。その時はスタッフTシャツを着ないで遊んでいいよと。ただ、グループで動くので自分の意見は通りません。途中抜けは出来ませんね。それと満遍なく活動をやってもらうんで、一日目グリーンステージをやったら二日目はホワイトステージとか、ステージ前のごみ箱をやったら、次は入場ゲート、その次は本部でリサイクルと全部の活動をやってもらいます。だから、グリーンステージのまん前のごみ箱になることもあるし、音も聞こえない入場ゲートの時もあるし。また、夜だけのナイトスタッフもいます。この人たちは昼間が自由時間で、夜はマーキー周辺で働きます。
説明会では特定のアーティストを観ることはできません、コンサートを観たかったら金払った方が得ですよ、と言っています。とは言ええ、きっかけ自体は音楽でOKだし、ほとんどの人は音楽好きで来るのですが、リサイクルも出来て音楽聴けて楽しいや、という感じですね。こちらも楽しんでもらえるような活動を作っています。
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Intro/Part1/2/3
reported by ORG-nob (July 17 2001)
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