
Fuji Rockin' People.vol.11 --FRFのこれまで、そして、これから Team、高瀬氏、寺田氏に訊く --Part1 --
今回はフジロックをサポートするティーム(有)を訪問して、いろいろと話を伺った。まずは、フジロックの広報を担当する高瀬さんで、仕事は思いのほか地味なものであるけれども、98年豊洲でのフジロックにまつわる報道の裏側は想像以上に衝撃的だった。それから二度目の登場となる寺田さんである。出店を管理する寺田さんには、今年のフジロック3日目に起きた水の売り切れ問題や朝霧JAMについて話を聞いた。

【広報の仕事とは】
フジロック・フェスティバルの広報は、TV、ラジオ局、音楽専門誌をスマッシュ/ホットスタッフが担当して、高瀬さんたちは、国内外の新聞社や通信社や一般誌を担当している。一言で新聞と言っても読売や朝日といった一般紙やスポーツ新聞だけでなく、自民党から共産党までの政党や宗教団体の機関紙もあるし、小さな地域の地方紙、業界紙まである。記事のスクラップを眺めると、こんな新聞まで記事が載るのかと驚く。雑誌は情報誌やファッション誌、求人誌などこちらも広い範囲に及ぶ。 開催が発表されたり、出演アーティストの追加、「星空トレイン」や「フジロック丸」の運行決定などの細かいことに至るまで何らかの動きがあると、これらの情報をメディア500〜600社にFAXやメールを送るとのこと。
当日は入り口の報道受付や各ステージの横にカメラマン受付を設けて、取材に来る記者やカメラマンのチェックをおこなっている。今はアーティストの肖像権の取り扱いが難しいケースが多くて、単独公演と違い120くらいのアーティストが出演するフジロックは、ひとりひとりのアーティストの肖像権をクリアにするのは非常に繁雑になってる。そのため、元々サッカー大会やテニス大会に関わってきた高瀬さんのノウハウを生かし、スポーツイベントの報道システムを取り入れて、またアメリカのエンターティナーに関する契約書の条文をちょっと拝借し、スマッシュ/ホットスタッフと共にフジロックのオリジナルの受け入れ態勢を作ってきたとのことである。
――FAXを送ると、そのまま記事にしてくれたりするものなんですか?
「まだまだフジロックはこんなにデカくなったとは言え、FAX送るだけでは記事にしてくれません。FAXを送りつつ、各担当の記者に会って記事のお願いする、と。広報の人間が地べた這ってですね『お願い、これくらい(のサイズで)出して』とかお願いします。
とは言え、やっとですね一般新聞の全社の音楽担当者はフジロックに好意的になってくれてます。もう担当者はフジロックの時には記事を書いてくれて当日はスケジュールを空けてくれます。フジロックの参加者やスタッフやアーティストが共に好意的であることを作ったわけですね。フジロックが6年間あってこそ、私たちは動きやすくなっているわけですね。スポーツ新聞より一般新聞の方をこだわってます。というのは来られる方の親御さんが見ているし、フジロックを特別なものにしたかったですしね」
――今年の2日目に篠山紀信が来ていましたが
「篠山紀信さんは、たまたまウチに近いライターがいましてその方が篠山さんの意向を聞いて、それからこちらがOKを出したということですけど。陽水だけでなく、当然ケミカルブラザースなんかも撮ってました。特別な扱いはしていません、他のカメラマンと同じ次元で考えていました。他にも結構有名なカメラマンの方は撮りにきていますよ」
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Part1/2/3/4/5 reported by ORG-nob. (Nov 14, 2002)
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