
Around The Fest. Vol.8 --HMVマーケティング部門長の藤田浩さん--Intro--
今年から、フジロックを協賛していただくHMVのマーケティング部門長の藤田浩さんにお話を伺った。今回の協賛の内容や、HMV店頭の話、果ては洋楽をいかに盛り上げようかというところまで、話が広がった。

【フェスティバルで何か役に立ちたい、フェスティバルに無いものをHMVが提供することで、それでフェスティバルを盛り上げていきたいというのがポリシーなんですよね】
――今年からフジロックの紙食器やゴミ箱を協賛していただくことを聞いたんで、その経緯をお尋ねしたいんですが。
「HMVはCD屋で、フジロックに関しては非常に思い入れが強く、一回目のときも日本でこういうフェスティバルが始まるということをCD屋として是非応援させて欲しいということで、そのときも実は団扇を作っていたんですよ。来た人に暑いですから、と配りますよ、とスマッシュの会社に飛び込んで協力させてください、という感じで。
当時は協賛も何も無かったので。そしたら一回目がああいうこと(台風直撃によるさまざまな障害、2日目中止など)になっちゃって、当時のHMVは日本展開5年目くらいだったので、まだ体力が無いときにそういうことをやったので、会社としても、その後はなかなか動き辛かったんですよね。でも、店舗で働いている人間、お客さんもそうだし、やはり初めてのフェスティバルなので毎年応援していきたい、というのがありました。毎年店頭キャンペーンという形で応援させていただいてました。
一昨年くらいから、HMVもそれなりに体力がついてきたのでサマーソニックなど開催初年の時からタイアップさせて欲しい、と、去年はロッキンオンフェス、サマーソニックもタイアップさせてもらいました。そうやって夏のフェスティバルにHMVがどんどん出ていって、CDを売ったりしました。
そこでなにをするかと考えてみて、お金を出してHMVの旗などを振ってもらうのはあまり面白くないな、と。それぞれのフェスティバルで足りないものがあると思ってて、その足りないものをHMVが出すのが面白いな、と思いまして。お金じゃなくてコラボレーションというカタチができるフェスティバル。サマソニのときはアーティストのホスピタルルームみたいのが無いのでそれを作らないか、という話があって、じゃあローリングストーンズの楽屋みたいな面白いのを作ろうということになって、そこにジュークボックスを置いてみたり、ミルクというバーを入れてみて、そこでアーティストがバーで楽しめるように、または取材をうけたりできるようなのを作りました。去年はロッキングオンフェスではステージが2つあってそれ以外が無かったんで、ダンステントを作って時間の空いているアーティストがそこでDJできるようなスペースを作ったりと。
でもフジロックは当初からフェスティバルのオリジネイターだし何か一緒にやりたいと思ってるんですけど、なにか足りないものがフジには無いなという気がしてたんですよ。HMVの旗振ったりじゃ面白くないからなにか面白い関わり方が無いかなと探してたところで、スマッシュさんと話しててちょうど紙食器の話がもちあがって。これが面白いと思ったのは、単なるリサイクルでゴミを残さないだけではなく、それを肥料にして朝霧JAMにつなげて朝霧牧場の牛に食べさせようというストーリーがあるんですよね。これはHMVはやりたい、ということになって協賛させてもらったという感じなんですよ。
フジロックは自然の中で音楽を楽しみその自然も使いっぱなしにしないというポリシーが明確にあったし、苗場に行ったことある人はわかると思うんだけど、みんなそれをやろうとするし。そういう動きってありますよね。都心だとゴミとかひどいじゃないですか。で、音楽を好きな人がそういうマナーを気をつけながらああいう環境で楽しんでいるのは感動的な光景ですよね。そのいち役目をできるならこれは素晴らしい、と。A SEEDや紙食器メーカーさんとも顔合わせしてみなさんとお話しましたよ。広がりましたね。
ゴミ箱は面白いですよね。タワーレコードさんもご協賛なさっていて。A SEEDと話したんですけど、渋谷ではタワー vs HMVかも知れないけれども、フジロックという自然の中で音楽を楽しもうという名の元に、そろそろHMVとタワーが並んでもいいと思うんですよ。今までタワーさんはA SEEDと組んでゴミ袋を配っていて、それは素晴らしいし、リスペクト出来る。今回HMVは紙食器をやらせてもらうことになって、そのゴミ経路の最終地点としてゴミ箱があって、そこにタワーとHMVが並んでいる。それでいいじゃないですか。みんなひとつの目的に向かってやってる感じが音楽っぽいじゃないですか、そのコミュニティーが。だからゴミ箱をタワーさんと一緒にやれることを誇りに思ってますよ。きれいごとばっか言ってると思うでしょ?(笑)でも本当はそうだよ」
Part1へ
Intro/Part1/2/3/4 reported by ORG-nob (July 24, 2002)
|