
Fuji Rockin' People Vol.3 --松村雄策氏--Intro
---Fuji Rock Festivalにはいろんな分野から数多くの人たちが関わり合っています。というので、そんな人たちを紹介しようと思ってこのシリーズを始めました。誰が最初に登場するとか、そういったものは無関係です。ランダムに様々な人たちにインタヴューをして、どんどんアップしていく予定です。---- by ORG-master
今年、Neil Young Crazy Horseのフジロック出演を喜んでいる人は多いと思う が、松村雄策(まつむら ゆうさく)さんもそのひとりである。
松村さんは、ご存じの方も多いように雑誌「rockin' on」創刊時の中心人物で、現 在はフリーの立場で音楽を中心とした文筆や講演活動を精力的に行っている。またレ コード・デビューも果たした元ヴォーカリストで、あの頭脳警察の前座もつとめてい たという。代表的な著書に「葡萄畑の午前五時」(ちくま文庫)「リザード・キング の墓」(角川文庫)など多数があり、最新作は「それがどうした血が吹く」(二見書 房)となっている。The Beatlesを誰よりもこよなく愛し、文字通り岩石生活(ロッ クな生活)を体現してきた人のひとり。要するに、ロック黄金時代を生きてきた我々 の大先輩なのである。
東京都府中市−待ち合わせの伊勢丹百貨店前に半ズボンにTシャツ、サンダル履き という涼しげな出で立ちで現れた松村さんは、駅前の喧騒から逃れるようにぽつんと 存在する古風な純和風居酒屋に僕らを案内してくれた。
松村さんと言えばやっぱりお酒。初対面とは思えないくつろいだ雰囲気の中、まず はBeerで喉をうるおしてからお話をうかがった。結果として3時間を超えることに なったロング・インタビューでは、FUJI ROCK FESTIVALの話題にとどまらず、ロック ・フェスティバルへの思いや日本のバンドの話題へと続き、飲み物が日本酒に移行し てからはいよいよ十八番!のビートルズ話もたっぷりうかがうことができた。その結 果、全員が終電に間に合わないというオマケ付きで。反省…。
【1年目に行けなかった理由】
'97年、天神山のフジロックはハメられて行けなかったようなもの(笑)。ちょう どその年の7月、ロッキング・オンで毎月やっていたロック講座に出てくれないか、 と頼まれたので「いいよ」と軽い気持で引き受けたんだよ。しばらくしてからフジ ロックの日程が発表されたんだけど、ちょうどフェス初日にぶつかってた。ロッキン グ・オンの社員は全員フジロックの取材だったって後で知って「やられた!」と思っ たね(笑)。仕方ないんで2日目だけでも覗きに行こうとしたら、1日目は東京でさえ とんでもない大雨だったから、富士の方も大変だろうなぁと思っていたら案の定、中 止になっちゃった。だからフジロックは2年目からの参加なんだよね。1年目はロッキ ング・オンのみんなからも大変だったという話を聞いた。まあ、初めての事だらけ だったからね。
【理想主義をどこまで貫けるのか】
今までロック・フェスというのは僕にとってはあまり身近じゃなかった。そんな なかで日本にいきなり登場したフジロックというのは、いま考えてみると始めた時点 では無謀だったと思うよ。交通のトラブルもたくさんあったと聞いた。予行演習でき ない状況でああいったデカイのをやるのは一種の賭けだよね。普通だったら一回目を 東京から始めても良かったと思うんだけど。でも、良くも悪くも理想主義というとこ ろから始まったモノだからこそ何とか頑張ってもらいたいよね。
北海道とか小岩井農場とか、いまや全国各地でそういったイヴェントがあるけれど も、他と比べてフジロックは何もかもデカイ。2年目のように東京でやっていれば面 倒くさくなくていいんだろうけど、日高さんとしては本当は全員キャンプ・インでや りたいと思っているワケでしょ。理想主義をどこまで貫けるかなんだよね。やっぱり 通常のロック・コンサートじゃないし、見る側も単なる観客ではいられないわけだか ら、自分たちもサポートする立場で協力したいなとは思っている。
FRF'00の時は、ステレオラブを観ようかスーパー・ファリー・アニマルズ(SFA) のどっちを観ようかと悩んでたんだけど、その前にビール飲んでたら段々どうでも良 くなってきた(笑)。ステージの方向からSFAの音が風に乗ってちょっとだけ聴こえ てきたんだけど、こういうのもいいかなぁと。ステージまで行けばちゃんと聴こえる んだけどこっちで飲んでいるのもいいかなという、そんな体験も新鮮だったな。
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Intro/Part1/2/3
reported by ORG-camel (July 24 2001)
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