
Around The Fest. Vol.10 --溢れるロックへの情熱を聞いて欲しい... 三菱自動車ブランド戦略部部長・関雅文さん--Part1--
若い人に対する意識が変わった
「初めてフジロックを観させていただいたのは'00年。そして去年('01年)も。それで、僕の若い人に対する意識というものが変わったんですよ。
ひとつの音楽というものに対して、楽しみを共有してこんなに集まっている、それもとてもマナーもよく一致団結している。すごくいいことだなって...。あれに似た感じだとサッカーのワールドカップ、日本戦を観にいった時。6万人がひとつのチームを応援しているっていうのはすごいもので、日本人もまだこんなものを持っていたのかとびっくりしたんですけど、ちょっとそれに近い感じ。
音楽でもスポーツでも、ひとつのイベントであんなに人を惹きつけて一体感が出るというのは実はそんなにないのではないかと。でも企業が野球とかゴルフとかマラソンとか、スポーツにっていうのはよくあるけど、音楽に協賛するのは意外にないなって感じるんですよね。(海外の)ビッグネームが来たらっていうのはあるけど、トータルとしての"音楽"に支援っていうのにメーカーはあんまり積極的じゃない。音楽は企業と若者との距離も縮める、コラボレーションができるってことを、これからは考えていかなければと思うんですよ」
三菱自動車のファンをつくるのが仕事
「僕らもビジネスマンですから、やっぱり会社のお金を使って参加するからには、多少なりともうちの会社に還元しなければという意識はあります。でも僕らがお金を使ってもあれだけのいい若者を集めることはできないと思うんですよ。それより、フジロックという日高さんがやっているイベントに参加させていただいて、そういう人たちとそういう場で出会えたらいいなと。それが正直な最初のところですね。
フジロックに参加しているお客層って一応若い人たちがメインですよね。まあ、三菱自動車とああいう人たちって、やっぱりちょっと距離があるんですよ。僕らの時代は自動車って憧れの対象だったけど、今の人たちにとってはますますあって当たり前のものになりつつある。そうなるとその人たちにとりあえず三菱を認知してもらいたい。三菱自動車ってこんなこともやってるんだ、なんとなくいい会社だなと思ってもらえるような出会い方をしたいんです。
影響ですか? 三菱自動車がこういうのをやってるっていうのを聞いて、三菱を見直しましたっていう声はありますね。他には、後から自分が三菱の車に乗ってるの気がついて嬉しくなったとか」
「あとは社員への影響がかなり大きいですね。私のところにはフジロックに協賛しているのが誇らしいという声が届いてきたり、全然面識のない社員からフジロックのチケット手に入らないかって言われたり(笑)」(上田さん)
「まあ、そういうミクロ的な嬉しいお客さんの声が届くっていうのはあるけど、マクロとして販売台数がいきなり伸びるっていうのは最初からは期待していません。僕らのセクションの仕事は"三菱のファンをつくること"。潜在顧客をつくる――少なくとも三菱自動車が嫌いじゃないぞ、なかなかいいぞ、と思ってもらえる土壌をまずつくる意味で9万人との出会いを欲しているわけですから。
短期的なものよりも、中・長期で三菱自動車と若者とのお付き合いを考えるその一環だと僕らは思ってます。車を通してというのはもちろんメインなんですが、お客さんとの強い絆をつくるにはもっと色んなコミュニケーションをしていかなければならないのではないかというのが僕の考えですね。
今年もうちのスタッフがいいプレゼントを準備してくれてますが。そういうちょっとした三菱のテイスト感なり、一貫性のあるものなりを毎年レギュラーでコンタクト(接点)としていくのが重要なのかなと。
そして音楽を大切にしていくのなら、今年やってお金がないんで来年はやらないよ、という形にならないようには極力したいと思っています」
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Intro/Part1/2/3/4 reported by ORG-joe (July 24, 2002)
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