
Fuji Rockin' People Vol.6 --寺田さん(ティーム)--Part1
【そこへ行くと違う国に来ている感覚があるというか、異文化を作っている。そういう環境だからやりがいがあるね】
――まず、どんなことをやっている会社か教えて下さい。
「分かりやすく言うとイベント制作会社。音楽関係で言うとフジロックなどの野外フェスが多い。夏のフェスはロック・イン・ジャパンもやっている。実際は関わってないけどサマソニは知り合いがやっているので必ず行っている。地方の野外フェスなどで、フジロックやったおかげで仕事が増えている。いいことづくめではないけど、悪くはない。音楽以外では、某外車メーカーの展示即売会とかを屋内・屋外でやっている。あとは各企業の展示会の制作とか。フジロックでは会場全体の構築、広報の窓口、出店者のケアや管理をしている。大きくはこの3つかな。
フジロックフェスのかかわりは、昔レコーディングエンジニアをやっていて、元々スマッシュの代表者との付き合いが古い。スマッシュが呼んだ外タレのライヴレコーディングをやったりしていた。転業してイベント制作会社に入って約7年間学んで、その時にフジロックやるんだけど、備品関係よこせという話があって天神山から現場を見に行って付き合っている。その時は設営隊は基礎ステージや会場のテント作りで10日ほど前から現地にいて、ずっと天気良かったのだけど、当日から雨降って、朝の5時までミーティングしてこのまま行ったら被害者出るということでやむなく中止になって一夜にして伝説のロックフェスになった。
次の年も場所を変えて会場全体の制作窓口、報道の窓口、98年から出店の管理も始めた。オフィシャルや協賛各社以外に任意に出店したいという店の管理とか、会場には3万人ほどの人がいるので飲食のケアをしなくてはいけないので、出店したいという人を選別したり、食べるものの種類を選ばないといけないし、食中毒出ると次から出来ないので現場の管理をしている。
保健所は面倒くさい。地域によって考え方が若干違うし、費用も違う。向こうが要求するのは食中毒がないようにということで、何かコトが起きたときにきちんとしていないといけないので、検便の検査結果とか書類取りまとめてハンコもらってお金も払って管理をしている。
会場作りの領域で言うと設営中に途中で雨が降るとつらい。苗場で3回やっているけど、必ず雨が降って作業ストップになる。苗場の初めの年なんかビー玉クラスの雹(ひょう)が降った。生まれて初めて見たよ。地元の人に言わせると苗場というのは群馬の悪い天気と新潟の山沿いの悪い天気を凝縮した感じのところで3日以上晴れることが少ない。フジロック中は奇跡的に晴れていることが多いね。
全体に言えるんだけど、運営サイドの人間たち、ホットスタッフや警備、設営など、不思議なことに全スタッフに気合いが入っている。知らないうちに波長が伝わっているというか。フジロックでとにかく事故があってはいけないという意識は、ステージ進行とか音響とかのスタッフも含めて持っている。そういうフジロックイズムのようなものが浸透している日本で唯一のイベントだと思う。
日本人が作った外タレも呼んだ野外のコンサートでなく、そこへ行くと違う国に来ている感覚があるというか、異文化を作っている。そういう環境だからやりがいがあるね。フジロックは僕たちが作っている意識が強い」
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Intro/Part1/2/3/4
reported by ORG-nob (Dec 2, 2001)
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