
Fuji Rockin' People Vol.6 --寺田さん(ティーム)--Part4
【10万人が当たり前でそこから先どう広がるのか】 ――今後フジロックをどうしたいと考えていますか?
「お客さんを増やしたいですね。チケット代下がるし。ただそれぞれのステージのキャパシティに限界あるので、その中でふくらませたい。
いろんな新聞も取り上げているけど、今ひとつ足が向かない理由というのは、もっと日本人もゆったり楽しめばということだと思う。みんな日々の生活に汲々になっているからね。
フジロックで出会って付き合って結婚している、会場でHして子供出来たとかいるだろうね。そういうフジロックベイビーとかフジロックで出会って結婚、を特集してもいいよね。結婚式をフジロックでとか。いいと思わない?結構メディアが取り上げるんじゃないかな。
それと、お客さんに子供が増えているのはいいことだと思う。感受性が豊かになるよね。僕も22の子供がいるけど、最初からそうだから違和感ないの。レコーディングエンジニアやっていたんで毎回新譜聴いているし、オールドも知っている。ビートルズは僕らが聴いているから知る、それがフェイバリットソングだったりするわけじゃん。マージービートやニューロックにしろ凄いのが昔あったことも分かっているし、流行ものを平行して聴いている。思考や感受性の限界が取り払われるからいいんじゃないの?僕らのときは、学生のころは音楽に熱中するけど、社会人になるとパタッとCD買わなくなるんだよね。不思議な現象だけど企業文化がどっかゆがんでいる。レコード会社や招聘会社とかアパレル系とかはロック聴く文化がそのままだけど、現実の社会はそれだけではないからね。50代の連中ってロック文化で始まったのだけど、それがそうならないのは何でなんだろう。変だよね。
フジロック一回目で想定できる問題点は出た。エマージェンシー対応の難しさと実際を経験したので、次の年はまたやるのかという勢いで始まったけど、問題点が出尽くしたのでそれをどうクリアしていくかということだね。苗場で3回やってある種至れり尽せりになったんで、もうちょっとワイルドにしてもいいと思うね。10月の朝霧JAMで有志のスタッフは自炊をしたけど、フジロックでもそういうのがあってもいいんじゃないかと思う。反対はあるだろうけど、ひとつの風物詩になっていいのかなと思う。
それから、さっきも言ったように期間を長くしたい。費用対効果は別として、取っ掛かりは1週間、中日は休み。それともうちょっと広いフィールドがあるといい。やっぱ10万人という数字は出したい。10万人入れば善循環が回るし。10万人が当たり前でそこから先どう広がるのか。あと世界のロックフェスのひとつになりつつあるので、それをさらに広めていきたい。グラストンベリーも良いけど、フジもすごいぞと。
お客さんに対しては驚きが欲しいよね。マナーを知りすぎていい子ちゃんになってもつまらないし。『本当かよ!』というのがあると良いね。いつの時代でもパワーを持っているのは若い人だから。ここに来ると世俗のことは忘れるみたいな。よく高い山に登って下を見たときに、どうしてあの世界でチマチマ考えているんだろう、この晴れ晴れした気持ちはなんなんだというような感じ。絶対数も増やしたいし、そういうマインドも増やしたい。空間を創造するというか僕たちはこう考えるよ!というのがあるといい」
――来年のフジロックはいつ頃から動き始めますか?
「来年のフジロックについてはまだ考えてない。スマッシュの方では考えているだろうけど。日々の作業が多いんで、そこまで回らない。実際3月か4月にミーティングをやって、例えばサーカスをやるならこういうテントがどこの国にあるとかビデオ観ながら検討する。
今年のレッド・マーキーのテントはそのために設営する会社がドイツから買ったんだよ。すごいと思わない?あの色は一般的には使えないし。キャンバス以外は他のイベントでも使えるけど。フィールド・オブ・ヘヴンのテントやオアシスエリアにあったネットカフェも、今年新たに購入している。気合入っているでしょ?」
――では、締めの言葉をお願いします。
「目標10万人(笑)。みんなで楽しくやれればというのが原点だよね。野外のフェスでやる楽しみをどう見出して行くか。面白いと思ってくれるお客さんは増えているので、だいぶ浸透しているけど、コツコツ広めて行くしかない」
Intro/Part1/2/3/4
reported by ORG-nob (Dec 2, 2001)
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