
Around The Fest. Vol.5 --スリーピース--Part2
人とのつながりはさらに広がっていく。'99年の苗場には、後に盟友といっていいであろう存在となるバンドとの出会いが待ち受けていた。それがアルゼンチンのバンド、トドス・トゥス・ムエルトス。この年のフジではグリーンでのクロージング・アクトも含め、数々のステージで幾度もライヴを繰り返した話題のバンドだった。
「たまたま日系の通訳の人がいて。彼を通して...覚えてる限りでは、俺から話しかけたのかな? 俺がゲバラ(チェ・ゲバラ。キューバの革命家カストロの片腕にして英雄)にちょうどハマってた頃で。ゲバラはアルゼンチン生まれだから、アルゼンチンのバンドだっつうことで話してみたら、よく知ってるねって盛り上がって。ライブもお互い気に入って。まあ、一説によるとかおりをナンパしようとしたらしいんだけど(笑)」(原)
「南米のレイジっていわれてるバンドやって聞いてたからすごく興味があって。ライヴ観たら滅茶苦茶かっこよくて!
あとスリーピースを始める前に、梶君がリーダーでサンバの楽器をいっぱい入れた十何人のバンドをやってたんですよ。だから南米音楽は元々大好きで。うちらのCDもぜひ聴いて欲しいって、シングルとプロフィールを渡して」(永野)
その後パーティーに呼ばれたり、日系のクォーターであるギターのオラシオが率先して間に立つ形で次第にトドス・トゥス・ムエルタスとの親交を深め、ついには南米ツアーが実現することになる。違う国のバンド同士に交流が生まれればお互いの国でのツアーという会話が交わされることはなんとなく想像もつく。しかしそれを現実にしてしまうあたり、時流の運命的な一致と彼らの行動力の凄まじさに驚嘆せずにはいられない。これもまさに原が苦笑まじりに話す「スリーピースは何でもアリ」の一部だろう。
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Intro/Part1/2/3/4/5/
reported by ORG-joe&photo by ORG-saya38 (June 25, 2002)
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