
Around The Fest. Vol.6 --ミッシェルガンエレファントのマネージャー、能野さん--Part2
【はっきりとした前向きなモチベーションが必要ですよね】
2000年のフジロックでは堂々と2日目のトリ。「あの時は本当に嬉しかったです
ね。そうやって声かけてもらってそこに立てたということが。それは自分の中では次
の目標もたいなものでもあったし。終わった後は全身の力と緊張が抜けて、もうもぬ
けの殻のようだった」。トリまで務めた後、ミッシェルガン・エレファントは今後、
フジに出ることがあるのだろうか? 
――それはまだ僕にも分かんないですよ。またいつか出たいとはもちろん思っている
けど、どうなんだろうね、それは日高さんに聞いて(笑)。でもたぶん、ミッシェル
とフジロックとの間にちゃんとしたモチベーションみたいなものが必要なんじゃない
かな。次やるのであれば、出るのは今年でもいいですし、ホワイトでもグリーンでも
どこでもいいと思うけれど、フジロックとしても出てほしい、バンドもやりたい、そ
の波長がばっちりと合う時じゃないと、(出演することを)イメージできないし、
(SMASHから)電話が来ないような気がするな。
ああそう、いつかグラストンバリーにも出たいですね。SMASH UKのジェイソンか
ら、ストロークスやハイヴスなんかのライヴに行くと「あいつらいつ来るんだ」っ
て、いつもミッシェルの話になっているってメールが来るんです。
【春の花見とか夏の花火大会のような感覚になればいいと思います】
「去年はライジングサンのブースを作って、ジュニア(元ブランキー・ジェット・
シティー・マネージャー)や大石さん(UAマネージャー)や手伝ってもらった仲間の
みんなは大変だったけれど、とても楽しかったです。一人だけもしかしてとてもぜい
たくな思いをさせてもらっています。
苗場の1回目(99年)は最終日だけ行きまし
た。2回目はもちろん全部。去年はライヴがなかったので、余計に居場所が欲しかっ
たので、みんなでなんかしようよって言って店を出しました。そう思う人もいるん
じゃないかな、何回か足を運ぶと。広い場所があるわけだし、何をどうやって楽しむ
かを考えていったら、お客さんとかも、もっともっと自由に遊ぶためにいろいろと考
えていくような気がします」と語る能野さんは、フジロックについてはどう見ている
のだろうか?
――例えばだけれど、春の花見とか夏の花火大会のような感覚になればいいと思うん
ですよ。毎年そこに行ったら桜が咲いているし、きれいな花火が上がるし、そういう
感覚でみんなが楽しめるようになっていけばいいなあって。ライヴが観たいだけだっ
たらそのバンドのライヴを観に行けばいいんだしね。
僕の中ではフジロックの入り口
はそこなんです。気の合うロックや音楽の大好きな連中と1年に1回、みんなで集
まって大騒ぎをして遊ぶ。もちろんある程度のモラルはあるけど、細かいことも気に
せずに、こうスコーンと突き抜けていられるような感覚があそこにはあるでしょう。
しかもいろんなところで音楽が鳴っていて、ボケーってしてるだけで僕は最高の気分
に浸れて、そんな場所やイベントなんてないと思う。
ライジングサンもそうなんですけど、やる方はライヴをやる、お客さんはライヴを
観る、というしか接点がない、そう考えている人が多いわけじゃないですか。でも、
そんなことは誰も言ってない。もっと自由というか、その人がその人なりにめいっぱ
い贅沢な瞬間を思う存分楽しんでいったらいいと思う。
フジロックに望むものは?
――自分は39でミッシェルのメンバーも33から35になって、世代の連中は仕事もして
いるんだろうし、奥さんや子供も居るだろうし、だからなかなかライヴに来れない人
もいるだろうし、そういう人たちが年一回は家族で旅行みたいな気分でフジロックに
みんなで来たら楽しいと思うんだけどなあ。アウトドア生活が好きな人もフジとかラ
イジングサンに家族でキャンプして楽しんだらとてもいい旅行になるんじゃないです
か。
そのためにはもっともっとライヴから離れたところで楽しめるものが一杯あった
らいいでしょうね。いろいろな形で参加する人が思いもよらないような提案をして
いって、そして行動力とでもっともっと化け物みたくなってほしいな。夏休みだけの
ロックのディズニーランドみたいに。もうそうなってるのか、どうだろう。でもそう
やってまだまだね、日本でロックの裾野が拡がっていったらいいなって僕は思うんで
すよ。
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Intro/Part1/2/3/4
reported by ORG-nob & photo by ORG-nishiyan (July 5, 2002)
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