
Around The Fest. Vol.6 --ミッシェルガンエレファントのマネージャー、能野さん--Part3
【なんで自分らでやろうと思わないんだろうと疑問だった――ライジングサン】
「前の年に北海道で行われたイベント(ブランキー、スライダーズなどが出た)が
素晴らしかったということもあるし、日本のロックイベントとして発信したかった
し」と、ライジングサンロックフェスティバルを始めたのはどんな動機だったのだろうか?
 ――あの頃は、誰もがフジロックに目が向いているんですよ。なんで自分らでやろう
と思わないんだろうと疑問だったし。日本には格好いいバンドが一杯いて、もちろん
バンドやアーティストだけじゃなくてファンや関係者も含めてロックを取り囲む状況
はもの凄くいいパワーを持ってきてると思えたし、そういういろんな人が集まればフ
ジロックとはまた違う面白いものが出来るはずなのに。みんなが、フジロック、フジ
ロックと言うのも正直気持ち悪かった。フジはフジでもちろん素晴らしいんだけど、
フジロックに出る/出ないかを気にして、自分たちから何か新しいことをやろうとし
ない風潮はどうなのかなという気もしてた。
どうして北海道だったんですか?
――前年のイベントのこともあったし、それが終わってからWESSのスタッフやジュニ
アと話していてオールナイトのイベントができたら、いっぱいバンドも出れるし、面
白いねみたいな最初は本当に軽いノリから始まったんじゃないかな。実際何ヶ所か候
補になった場所を下見にも行ったけれどピンとくるものがなくて、一番最後に今の何
もないはらっぱみたいな会場に行って、ここでなら面白いものができると思った。そ
こに立っているだけでとろけてきそうな強力な磁場があった。それから先は一気にい
ろんなものが転がっていった。
開催してみてどうでしたか?
――僕は僕での思いや感想はあるけど、まあそれはそれで。反省することもあったけ
ど、あそこにこぎつけれたのは奇跡だったかもしれない。でもその奇跡を呼び起こす
力はあの時、あそこに集結していたんじゃないかな。面白かったのは、僕は終わって
一人で昼の12時くらいまで会場に残っていて、最後のお客を見送ろうと思ってい
て、それからホテルに帰って、その日も札幌に一人で泊まったんですよ。そして夜に
WESSのスタッフと地味に打ち上げでもやろうかと話していたら、もう一人残っていた
奴がいてね。
誰だったんですか?
――中村達也くんもなぜか一人で残っていましたね(笑)。
今年のライジングサンは?
――2日間の開催になったし、ステージもDJブースを合わせて4つに増えたし、ようや
くライジングサンとしてのロックフェスらしさを確立できそうな予感が僕はしてるん
です。もう後方支援みたいな付き合いしかできてないけれど、今まで以上になんか今
年は楽しそうだよ。マシュー・ハーバートの出演が決まったことも面白いと思うし、
もう後はできるだけいっぱいの人に集まってほしいと本当に思う。やっぱり北海道ま
でお客さんに来てもらうのなら一日だけじゃもったいないよね。しかも夏の北海道は
からっとしてて気持ち良いから、富良野なんてきっと最高なんじゃないかな。
一週間くらい北海道を旅行して、旅行のついでにライジングサンなのかライジング
サンのついでに旅行なのか、どっちがわからないくらいでいいんじゃないですか。
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Intro/Part1/2/3/4
reported by ORG-nob & photo by ORG-nishiyan (July 5, 2002)
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