【朝霧はラクでいいね】
――出店関係者は入場者予測というのをするのですか?
「うーん、というかやらないけど、最近のチケットの動きっていうのはスレスレにならないとわからない。『行けば何とかなる』って思う人が多いから。早割が売れたりしてチケットの動きが両極端になっている」
「近くの人は『晴れたら行こう』っていう人もいる」(小林さん)
――味に関してはどうですか?「昔は良かったけど」って言う人がいますが。
「年々お客さんが増えてきて今年もいろいろ問題あったし、回転率とかそういう部分もあるんですけど、毎年新しいものがあるし、みんな試行錯誤していました。『苗場食堂』とか改善されたし、面白みは与えられると思う」(小林さん)
「苗場食堂は苗場の町全体でやるという話になったけど、それぞれが旅館や店のオーナーだからなかなか意見統一が出来ないんで、ある人に任せたら上手くいかなかった。それで町を挙げて、どうすれば苗場らしくてお客さんに喜んでもらえるか考えないとマズいでしょ?って何度もミーティングした。で結構気合が入って、素人の旅館のオーナーたちがあのボードウォークを作った。あそこでしか取れないコシヒカリでご飯を炊いて、純米吟醸の地元でも滅多に手に入らないものを出していた。足りなくなって『どうしようか』って言うんで『もっと普通のでいいよ』って(笑)。
あと、アヴァロンの朝霧JAMのブースも良かった。PRのブースを作ってJAMのボランティアの費用にしようって。あそこで焼きそばを作っていたのはゴールドママといって名物ママなんだけど若い連中の3倍働くんだよ。パワーあるよ」
――そういえば、朝霧JAMで会った時には楽しそうでしたが。
「朝霧はラクでいいよね。実際は雨降っていたし、撤去のときは戦後最大級の台風の横殴りの雨なんで作業的には辛かったけど、本番のリラックス感はよかったね。設営スタッフはみんな自炊していたんだよ。6時に起きて7時のご飯炊いて、8時には現場にいるっていうスケジュールだったけど、それはそれで楽しい。去年より食費が増えたって石飛(スマッシュ社員)からクレームがついた(笑)。
去年のことを考えたら深夜売れないと思われたけど、今年は深夜Moon Shineは軒並み売り切れちゃって、予想外の売上に328(麻布のクラブ)は『フジロックを通じて初めて黒字になったよ』って。ソロモン(フジロックのワールドレストランのコーディネーター。朝霧JAMは凧揚げ担当)は『夜はやらない』って言っていたけど、翌日『全部売れたよ』って言ったら『えっ!?しまった』って顔していたよ。
今年の朝霧JAMは駐車場の問題とかあったけど、雨が降っていても日高的には『客も慣れているし、スタッフも全然平気だよ大丈夫でしょ』のひとことで終わったよ。あの人たちは設営のときでも毎朝4時まで宴会していたよ。
それから今年はOASISとダブったので監督の岡田は本番はいなかったけど、OFF日にOASISのステージが終わって朝霧入りし、日高村に合流し、やはり朝まで宴会に参加してたよ。でも本番日の朝、ステージ裏に40cm高位の水たまりが出来ている所をスコップで水の通り道を掘っていた嬉しかったね。ジーンときたよ。なんやかんや言ってもみんなフェスという新しいお祭りが好きなんだよ!!」
PS 高瀬さんより報道のボランティアの皆さんへ。というか自分もここで働いている人がボランティアだと初めて知ったわけだけど――「フジロックの当日の報道体制をつくるためには20数名の心あるボランティアたちによるものです。あまり表に出ることがないので、この場を借りて!
奥戸さん、大場さんとその仲間、舟根さん、山口さん、清水さん、東さん、池邑さん、武田さんとその仲間、美澤さん、朝比奈さん、松山さん
また苗場でお会いしましょう」
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