
Around the Fest.4--井上ジェイ氏--Part2
【グラストンバリーフェスティバルとは?】
グラストンバリーの会場はマイケル・イーヴィスという人の持つ農場で、田舎で不便なところにあり、周りにあまり宿泊施設がなく、ほとんどの人がキャンプをする。イギリスの子供たちは夏になるとキャンプをするのが習慣になっていて、ボーイスカウトの発祥の地でもあるし、キャンプに対する抵抗感がないらしい。ここに10万人近くの人たちが集まると小さな都市のようで、見渡す限りのテントは壮観なんだそうだ。
この町はアーサー王の伝説で有名なところで、イギリスの人なら誰でも知っている。日本で言えば、出雲とかそういうところになるかな? フェス自体は80年代にCNDの運動と一緒になることで全国規模に知名度を上げたらしい。現在では社会的な要素が薄れているけど、収益は毎回、自然保護などの団体に寄付されているそうだ。
そもそもグラストンバリーフェスティバルが始まったのは70年。ウッドストックに影響を受けてイギリスでもロックフェスが行なわれるようになり、70年の夏の前のころにバースというところで開催されたフェスを観たマイケル・イーヴィスは自分もやろうと思いついたらしい。しかも、その年の秋に1回目を始めてしまった。1回目の出演者はT-Rex(!)などで2000人弱くらいの規模だったとのこと。年々規模が拡大して84年当時で8万人限定でチケットを売っていたけど、今では、先述の通り10万人くらいは来ているらしい。

それから14歳以下は無料。しかし、やっぱりすごいのは、自分の土地を10万人に解放できるっていうこと。日本にもロックが好きで10万人がキャンプできる広さを持つ地主っていないものですかねえ。
「グラスト(英語ではこれが短縮形。日本ではグラストンと呼んでいる人が多いけど)とフジとの違いは、マイケル・イーヴィスさんが持つ自分の土地でやっているのと、自分の国のアーティストが多いので、出演料とかバンドの旅費などの経費がかかってないことですね。アーティストもいい宣伝の場になるんで出たがるんですよ」
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Intro/Part1/2/3/4/5
reported by ORG-nob and photo by ORG-master (April, 2002)
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