
Around the Fest.4--井上ジェイ氏--Part3
【自分で楽しみを見つけるフェスティバル】
グラストンバリーフェスティバルが年とともに変化してきたのだろうか。
「変わってきてないですね。グラストは年齢も幅広いし、いろんな人が来るし、誰が来ても楽しめるイベントだから」
サーカスとか映画とかダンステントもあるし子供向けの施設もあるし、ヒーリングスペースとか瞑想している人がたまっているスペースがあったりもする。
「大体そういうところ行くと不思議とみんなヌードだったりするんだよね(笑)。瞑想とヌードどう結び付けていいのか分からないけど」
それから、いろんなワークショップがあって農作物の作り方とか編物とかの教室もある。要はイギリスの人たちは、ずっとステージに張り付いてないで、自分の観たいものだけを観るので、それ以外の時間の過ごし方をどう楽しもうかと考えると自ずといろんなものが出来てしまうのだそうだ。
グラストは公式に出演アーティストの発表は一切せず、参加者は当日のプログラムで誰がいつどこのステージに出るのか知るらしい。もちろん、アーティスト側が事前に出るよと言ったりはするらしいけど。
「プログラムに載っていてもいろんな都合で出ないこともある。そういうのがあっても文句はあまり言わない。参加者も心得たもので、日本みたいにガチガチに誰が出たとか出ない、とかはないみたい。誰かのコンサートでなく、イベントなんだから誰が出たって楽しもうということですね。そこに来る10万人はマイケル・イーヴィスのお客さんなわけですよ。自分の所にテント持参で泊まってもらって楽しみを共有しましょうということで、そこで過ごすための楽しみは自分で考えましょうということだから」
「自炊する人は少ないですね。食べるところがいっぱいあるから。日本と比べ、食べ物としては量はあるけど、あんまり旨くないです。フィッシュ&チップスのフィッシュは生モノなんで無い代わりに、ソーセージ&チップスだったりします。普通のサラリーマンみたいな人が家庭で作っているような料理もある。こういう人も楽しみながら参加している感じですね」
「ミュージシャンも観客の中に入って飯食ったりステージ観ていたりします。向こうの人たちは、サインくらいは求めたりもするけど、あんまり囲んだり追っかけたりしないです。プライベートは邪魔しないっていうマナーがありますね」
【他のUKのフェスティバルは】
UKの他のイベントはプロモーターがいてビジネスでやっている。レディングやV2002が行なわれるし、ワイト島フェスティバルも復活する。
「V2002はヴァージングループが主催しているんですよ。ヴァージングループは音楽だけでなく、携帯電話やラジオ、飛行機、コーラなんかの他にヴァージンの電車も走っています」
スコットランドでT in The Parkというスコットランド版のグラストのようなキャンプ主体のフェスもある。イギリスはフェスティバルが流行っていて、それぞれ頑張っているようだ。
「グラストとレディングのお客さんの違いはなくて、どちらも行く人が多いです。ただ、レディングはロンドンから手ぶらで行けて、ロンドンの人たちのイベントであるけど、グラストはイギリス国内はもとよりヨーロッパ中からお客さんが集まる。でも、レディングにもキャンプ場があるんですよ」
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Intro/Part1/2/3/4/5
reported by ORG-nob and photo by ORG-master (April, 2002)
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