
Fuji Rockin' People Vol.11 --ホワイト・ステージのPAのヘッド、東さん--Part4--
【みんなが旅して来て、旅して帰って行くっていうのがフジ・ロックなんやと思う】
フジ・ロックでは自分で考えて行動していかなければならないと思うな。というのはフジ・ロックでは何の問題もなく来て、何の問題もなく過ごして、何の問題もなく帰っていく人は少ないと思うんや。笑い話でもう最悪って言っている人はいると思うし、そういう思い出がフジ・ロックを話す時に花をそえているぐらいに思ってほしいしな。
でもな、ネタにして楽しめる程度であるってことが絶対やけどな。ただ何か問題が起こった時に"寒くなったら服売っているし"とか、"金さえあれば何とかなる"なんて思って欲しくないな。"寒くなったら走ろうぜ"とか、"踊り続けよう"と言う人がおってもええと思うんや。そういう工夫や自分独自のアイデアでその場を楽しむ、危険を回避できる人が減ってきていると思う。まあとにかくけが人が出ないことを祈るし、事故が起きない事を祈っている。
やっぱりみんなが旅して来て、旅して帰って行くっていうのがフジ・ロックなんやと思う。だから個人個人が困難な事も含めてドラマを持つことがフジ・ロックではできる。そういった価値がわかってくれたらうれしいなと思う。
【フジ・ロックを客もスタッフもかわいがってくれる。】
毎年やってるスタッフのほとんどはな、"俺がやらなかったらだれがやるねん!"という気概をみんな持っていると思うんや。それはな"家族をだれが守るんや。おれが守らなかっ
たら死んじゃうやろ。"と言う事に近い恋愛的なものをフジ・ロックに対して持っていると思うな。それぐらいみんなフジ・ロックに思い入れを持ってやっていると思うし、何となく来てなんとなく帰ったスタッフはいないと思う。仕事として来る人はみんなすごくコアなハートをもってやっている。年に一回しかなくて、みんなの恋愛的なパワーが終結するのがあの3日間というように、コアな連中が集まってフジ・ロックが運営され、コアなお客さんが毎年増えていき、フジ・ロックは発展し続けていく。それはフジ・ロックを商業ベースの中でやっていつつも、商業を超えた部分でやっていることや、来る人にもやっぱり'金じゃないんだよね"という事を感じるからかな。それにホンマそういう風にやってくれるお客さんやスタッフの気持ちを感じるとやっぱり作り手としてうれしくなるよな。
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Intro/Part1/2/3/4/5 reported by ORG-naoto (July 13, 2002)
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