
Around The Fest. Vol.7 --ミラレパ基金の田原智子さん--Part3--
【チベタン・フリーダムコンサートについて】
――チベタンについてですが「今年はホールを借りてやろう」とか「今年はクラブイ
ベントでやろう」とか、どこで線を引くのですか?
「チベタンは、そもそも別に毎年やろうと思って始めたわけではないです。毎年やってもうてフェス化されるのがすごいイヤで、5月か6月になると『チベタンの時期やな』という意味の音楽イベントではないんで、あえて毎年やらないです。アメリカでは96、97、98、99まで連続でやりましたが、それはとりあえず話題にして、チベットのことを知ってもらおうということで、ひとつひとつ、終わった次の日に次にやるのが決まっていました。最初は事務所のあるサンフランシスコ、次はメディアの集まっているニューヨーク、次は首都のワシントンDC、次は4カ国で、というように『次はコレしかないやろ』と99年まではアメリカでやっていれば、とりあえず世界に発信できるから、それはそれで、やっているんだけど。
クラブイベントに関しては、『(チベタンを)去年はやったけど、今年何もせえへんのもなあ。大きなコンサートホールにしてしまうのもなあ』って、やっぱりチベタンのお客さんは20代までだと思うの。それよりも上の層にアタックしたい、そうするにはクラブ系のイベントで18禁にしちゃったほうがいいかなと思って、みるく(東京・恵比寿にあるクラブ)も、とても協力的で、社長さんが『ええよ、いつでも何かあったら言って』って言ってもらったんで、ちょっとやってみようかって。
まだね、次のチベタンの時期が決まるまでは、ちょっと動けないかなと言うのがあって、チベタンが稼動したら一人で全部ピンキリみてないといけないから。それが固定されて、時間あったらクラブイベントがこれやったら出来るなという段階でやりたいなと思っている」
――去年のチベタンにはどれくらいの準備が必要なんですか?
「半年くらいやね。日程決めて、会場決めて、アーティストさん誰がいいか若者と話しつつ、オファーしてみて反応して・・・始まったら半年かかりますね。それを一人でやります。(スタッフが一人なんで)ちょっと大変やね。大変やけど、やりがいのある仕事やし、それは楽しんでやってる。仕事の量はキチガイじみているけど」
――その他の仕事はどういうことをやっていますか?
「それ以外の仕事は、普段は小さい企画モノをやったり、日本にも他にチベットをサ
ポートする団体が実はあるんやけど、ほとんどが人道的支援が多くって、政治的な活
動は出来ないけど、手伝えることがあればそれに噛んでいったり。それをコーディ
ネートするの。他はホームページを更新しつつ、日々来るメールに返信しつつ、通販
しつつ、他に何しようかと考えつつ、この春かな、署名がたまりにたまったので外務
省に持っていったり、結構ね経理から始まって、アーティストさんのケアまで、結構
枠があるから。イベントしていないときも忙しいかな。ただの事務業みたいなものが
多いねんけど結局は。パンフ作ったり、送ったり一人だとやることがあるの」
――アメリカではチベタンの状況はどうなっていますか?
「アメリカではコンサートとしては休業中やね。もともと、チベット問題を誰も知ら
ないから、知らしめるのはコンサートしかないんじゃない?と始めてチベタンフリー
ダムコンサートが生み出されて、99年の時点では結構知られている問題であって、あ
る程度の人が理解してはったので、これ以上知ってもらうためのものはやるべきでは
ないな、ただのフェス化になっちゃうから、ちょっとやめて、それより他の地域、ぜ
んぜん知られていない日本とかに集中しようかという話になってます。
9月11日の直後にイベントはやったのよ。ビースティボーイズも知り合いのアー
ティスト集めて、小さい会場で2000〜3000人くらいかな、そこで久し振りにリハなし
でやりました。あのときの被害者の家族だけど、政府からはお金が降りない人、移民
の人とか、不法滞在とかで仕事をしていてたまたまやられてもうた、何の保証もない
人をサポートする団体のためにミラレパ基金が頭立てしてコンサートはしたけどね。
そういう必要な時には動くけど」
Part4へ
Intro/Part1/2/3/4/5 reported by ORG-nob (July 22, 2002)
|