【もう少し、日本的に密着したフジロックなりの関わりが出来ないかなと思ってい
る】
――今後、NGOヴィレッジをどうしていきたいと思っていますか?
「もう少し、地元的というか、日本的に密着した、フジロックなりの関わりがNGOとして出来ないかなと思っているんですよ。過去の例で言えば、長良川河口堰の問題とか、諫早湾の問題とか日本的な環境の課題、大きな課題になっているようなものにつながるようなものですね。去年は何とかフォレストってフジロックで消費した分を森に返すみたいな、アイルランドかな?何かのグループと連携したけど、僕が日高に言っているのはアイルランドだけでなく、日本だって問題があるんだから日本の方に関わるようなアピールをした方がいいんじゃないかと。
それよりも、イラクの戦争危機の方が強いからNGOヴィレッジとしてフジロックの
中で出来ることがないかなと。今はそっちの方が強いけどね」
――そろそろまとめですが、フジロックのNGOのステージアピールというのは、NGO側としたら自分の主張をアピール出来る機会でしょうが、逆に、お客さんの方からアピールの質を厳しくチェックされる機会だと思うんですよね。
「僕らの側、NGOヴィレッジの幹事4人の側が演出的なことを考えて、もう少しアピールを高められるような演出することによって落差が埋まるのか、それとも、もっと有名人に頼ったアピールで惹きつけるのか、そこは迷っているところです。それと、前にも言ったように、非常に影響力のあるNGOでない人たちを集めてアピールさせるってことだから、ある程度のマネジメントをやんなきゃいけないわけだし。『一週間前からちょっとアピールの練習して来い』って台本作って、みたいな話にならないでしょ?あとはビデオとか使ったアピールとかありますよとか、衣装をそろえてきてやってみたらどうですか、とか、そういうアドバイスをするしかないのかな。まず、とりあえず。
3分間っていう時間だし、アーティストの転換のところでやらなきゃいけないでしょ。モニターチェックが始まったら出来ないから、限られた時間でどうやるのか課題なんで、もう少し僕ら4人としてはシビアに少し考えないと続かないかな、というふうに思っています。それに耐えてくれるかどうか・・・NGOの側がね。それを受け入れてくれればいいんだけど。『おれたちはおれたちのやり方があるよ』と言われると困っちゃうし。人数的な制約もあるからね。例えば、10人くらいプラカードを並べて、前でパフォーマンス的なことをやるとかは出来ないんですよ。一応、1グループに2〜3人って限られているから。コーディネートする側としては、とってもとっても辛いのよ。その中で、どの程度最大限アピールしてくれるものが出来るかっていう・・・だから、アイディアあったら貸して下さいとしか言いようがない(笑)。
NGOヴィレッジに関しては、みんなやる気になっている。今年も3月くらいから準備に入って全体ミーティングを何回かくり返しながら、統一感があって、それぞれが消し合わないようにアピール出来るようなNGOヴィレッジを作ろうと。去年の反省も踏まえてね。問題はステージアピールですね」
――では、最後に一言を。
「フジロックのコンセプトはロックフェスティバル、ミュージックフェスティバルに
だけが目的でない空間作りをしているので、社会的にいろいろ課題を持っている人た
ちがいる、ということを限られた日数の中だけど、理解してもらいたいっていうか、
考えてもらいたい。その中で自分のフィットする・・・フィットしないことがあったと
しても、それを受け入れて、物を考えてほしい。
何故NGOヴィレッジがあそこにあるのかとかね。その中のいろんな課題――環境問
題とか、人権問題とか、さまざまあるけど、それは関係ないっていうものではないは
ずなんで、個人個人で何か考えてもらえれば、ありがたいと僕は思います」」