――2001年のエレクトラグライドで苦情がありましたね。
「来ましたね。いろいろ。参っちゃったね(笑)。あんまり反応するもの嘘になっ
ちゃうじゃないですか。ウチはクラブであって料理は元々やってないんですよ。2001
年のエレグラでは料理を出す店が一店舗しかないという話があったときに、『なきゃ
困るよな』っていうのがあったんで、それじゃ簡単にできるようなやつってことで、
何回も試食したの。僕なんか素人だから電源を計算してなくて、いきなりスタート時
にボーンと飛んじゃった。ヒーターとか3つあるうちの1コしか使えなくなりまして、
凄い時間がかかっちゃうわけね。それで行列作ったのが1コあって、もうひとつは、
フードって時間かかるけど、ドリンクは簡単じゃないですか。同じところにみんな並
んじゃったの。その反省で2002年はそれを別々にしたわけ。
それと仕入れを考えるとマクドナルドみたいに大量にドーンと出来ないわけ。普通
の八百屋さんから仕入れたりしているわけ。一般の仕入れより数段高い物を買うわけ
ですよ。あれをやっても100円も利益出ない。でも、思いがあるからなんだよね。
――よく「どうやったらフジロックに店を出せるんですか?」って聞かれるんですけ
ど。
「どうすればいいんですかね。やっぱり、SMASHやホットスタッフさんの中でこれは
OKだろうという審査をすると思うのね。同じ品物がいっぱいあっても、それはまたマ
ズいわけで。真夏の炎天下なんで、もし何かあったら生ものだからいろいろ問題ある
し。コストもかかったりするじゃないですか。一番大事なのはフジロックに対する思
いがあるかどうかと僕は思う。ただ、利益を上げればいい、何かやればいいじゃなく
て、思いがあるか否かだと思う。
個人的にね、日高さんやビートインクのレイ・ハーンに凄くお世話になっているん
ですよ。お返ししなきゃっていう気持ちもあります。それがあって続けていきたいと
思っています。
エレグラもデコレーションしているのね。こんなことやっていいのかって思うほ
ど。ウチは女の子3人が暑いから水着着てんのね。『何でそこまでやるの?』って別
に水着を見せようというのではなくて、なんか暑いし、これもアリかな、これはス
タッフも大丈夫だよって言うのでやっているわけ。タクシーに乗ったときに運転手さ
んはこう言うのね。『僕が新車の良いベンツに変えても払ってくれるお金は一緒で
しょ?』。僕らがいくらデコレーションにお金かけてもビールはビールなんで売るお
金は一緒でしょ?1万円で行こうといってもそうはいかないでしょ。じゃ、何でそうす
るのかというと、さっきも言ったけど、フジロックに対する思いとプライドなんです
よ。その両方がないと参加しても楽しくないんじゃないかと思うんだよね」
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