――フジロックに望むことはありますか?
「ロックフェスなんでロックをもっと増やして欲しいね。いっぱいあってすごくいい
のね。親切で。僕は音楽全般が好きなんだけど、やっぱりロックという幹があって枝
葉を伸ばすのがいいと思う。
もっと欲を言えばエアロスミスがトリでその前がオアシスとか、ストーンズがトリ
でその前がレッチリとか、U2の前に誰々とかってあったら凄いじゃないですか。あと
日本から矢沢さんに出て欲しいですね。永ちゃんがあそこで何をするか観てみたい気
もします。そしたらいいよね。絶対寝ないもんね(笑)。お店を閉めて走って行っ
ちゃうもんね。みんなスタッフは仕事になんなかったよっていうぐらい、また違った
意味で伝説っていうのを作れたら面白いね。
矢沢さんの凄いところはずっとやってきていて、今もやっているところなのね。こ
こが凄い。だから光るし、オーラがある。ドラマとかやっているけど、音楽があっ
て、それをやっているだから良いわけ。一曲でもいい。バラード歌って帰っちゃうと
いうのも伝説じゃないですか。丸々1時間歌わなくていい。一曲で帰っちゃって『マ
ジかよ!』というのもいいよね」
――フジロックって終わったときにみんなで観たバンドのことを語り合うのが良いで
すよね。
「フジロックって妙な連帯感が出来るよね。毎年一回しか会わないお客さんがいるわ
け。『元気だったー?』って必ず来る。彼らは若くて、21か22なんだけど、僕はこの
歳なんだけど、仲間意識があって『まず飲もうか』って飲んで、あとはここをベース
キャンプにしてカバン置いて、みんなライヴ行くわけ。一通りぐるっと回って帰って
くる。ライヴを楽しむ以外の楽しみもあるよね。一年に一回しか会わない人に会うと
か。
今回面白かったのは、一人出歩いている外人がいて、誰かなと思ったら、タワーレ
コードの社長のキースだったのね。『キース何やっているの?』『うーん、どこに行
こうかと思っている』『ここ来ればいいじゃん、飲もうよ』って、何気にタワーのボ
スが歩いていたり、それが面白いよね。
今年(2002年)エレグラには坂本龍一来ていたんだけど、教授が来ているの知らな
くて『まーさん、教授来てますよ』って言うから、走っていったの。『教授どうした
の?久し振りだね』『何やっているの?』『店やっているの』『どこ?』『僕あそこ
行って並んでこれ買ったんだよ』って教授と立ち話したりね。そういうのがイベント
の楽しさでもあるよね。2002年のフジだと、ジョー・ストラマーがずっとサイン会し
てんの。偉いなあ、辛抱強い人だなと思ったり。他のイベントでは味わえないよね」
――ジョー・ストラマーってある意味、2002年のフジロックのベストアーティストで
したよね。
「演奏しなかったけど『見た?会った?サイン貰った?』って一番話題の人。フジが好
きなんだよね。個人的に日高さんと仲良いじゃないですか」
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