【迷惑をかけないで、無茶すること】

――日高さん、ティームの寺田さん、フジロックに関わる50代の人って何でみんな元気なんですか?

「自分のことを言うと、一生ガキでいいと思う。日高さんも、寺田さんも、レイ・ ハーンも、みんな興味がある、好奇心がある。好奇心って進歩なの。進化しようとい う現れだと思うな。この歳になっちゃうと、分かったつもりになるけど、やってみ て、触ってみないと納得しない人たちなの。それがあるから、フジロックは楽しい よ。毎年毎年同じことをしないぞって、決して満足しないというのがみんなの気持ち にあって、元気なのね。やることない人は10代でも元気ない。やることある人は50代 でも60でも元気なの。お客さんの喜ぶ顔を見て、次も喜ぶ顔を見たいし、アーティス トが喜ぶ顔を見たいじゃないですか。手抜きをしないし、もっと違うことをしたい」

――最後にメッセージはありますか?

「『迷惑かけないで、無茶すること』。難しい?無茶は決して悪いことじゃない。非 常に大事なことなの。安藤さんって建築家が『今の子供は学校からまっすぐ家に帰っ て塾に行く。だけど、僕は寄り道していました。君たちも寄り道しなさい。寄り道が 勉強になんない？違う。近所に木工屋があって木を削っていたりするのを毎日見てい た。親には毎日怒られたけど、大人になったときに、楽しいからこれをやってみよう と思って今の自分がある』って。寄り道は決してマイナスじゃない。親や周りの言う ことばかり聞くんじゃなくて、脇見をする、好奇心を出す。自分は自分、でも迷惑を かけないということだと思う。フジロックもそうやって楽しめば、もっと楽しめると 思う」