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--今年のA SEED JAPANはどこに向かう...--Part4--
【フジロックは、ボランティアの人気イベント】
「フジロックはボランティアのダントツ人気イベントで、去年は200人の募集に対して600くらいありました。女性が圧倒的に多いのですが、女性だけじゃつまんないので、男女比とかを考慮して200人を決めます。それで応募してくれた人を断るのに手紙出したり、電話したりと結構お金がかかるんですよ。今年はすごく敷居を上げてどうしても応募したい人、やる気が満々の人だけが応募できるように募集要項も1000枚しか刷らなかったんですよ。普通、1万枚から2万枚刷るのですが。申し込み用紙もFAXで受付けるのをやめて、郵送だけにしたんです。インターネット時代に郵便という面倒くささを乗り越えてやる人だけを受けようということにして、今、定員を少し越えたくらいです」(羽仁)
【今年のフジ以外の夏のイベントは】
「フジ以外のイベントは、8月の17日〜18日は北海道でライジングサン、東京と大阪でサマーソニックをやります。やることは基本のことですね。ごみの分別ナビゲートとリサイクルキャンペーンとステージアピールです。実は去年、サマーソニックのボランティアは定員割れを起こしたので、ボランティア参加するなら狙い目かもしれません。
その翌週は東京スタジアムで東京JAZZというイベントです、NHKエンタープライズ
が仕切っているイベントで今年から始まります。
そして夏の最後は、さいたまアリーナでおこなわれるWIREです。これは主催者の方から『ごみ袋は配らないでくれ、キャンペーンはやらないでくれ、アピールしないでくれ、もっとオシャレにやって、サラっとやってくれ』と言われています。僕らはいつもベタなんで(笑)、何ができるかなと考えていますが。石野卓球さんには会ってないですが『石野さんが『ベタにやらないでくれ』としきりに言っています』と担当の人に言われています(笑)。僕らもチャレンジなんでやってみようかなと思っています。ただ、あまりにもボランティアの人数を減らされて困っていますが」(羽仁)
【ボランティアが嫌いな人へ】
――インターネットのBBSとかにはボランティアが嫌いな人や、ASJの活動に疑問を持っている人がいますよね。
「去年、直接メールをもらったんですよ。素朴な疑問だろうけど、書き方はキツくて『西武というのは環境破壊の企業で、苗場はスキー場で環境を破壊しているのに、何故協力するんだ』という内容でした。僕らも悩んで誠意を持って答えたんですよ。そうしたら『誠意のある返事をありがとうございます』という返事が来て、現地でその人に会ったら怒っているわけでもなかったみたいでした。こういうメールは遅かれ早かれ来ると思っていたし、僕たちにも良い試練でした。
ASJのスタンスとしては、この活動を通じて企業献金はもらってないし、企業になびかない、企業に言いたいことを言う、というポジションをキープしていて、タワーレコードとは夏のイベント以外は全然関係ないし、普段からタワーがASJのパトロンではありません。
ただ『企業が悪い、環境破壊が悪い』と言って一緒にやらないかというと、そうではなくて、悪いところを切っていくのではなく、僕たちの基本ポリシーはどんなに悪いことをやっていても、一緒にやりながらその企業を変えていければいいと思っています。自分達がやりたいのは、社会変革で、革命を起こしたわけじゃないから。相手がどんなに悪いことをしていようと、なるべくなら組んでいく過程で対等な関係性をつくれるかどうか、それができれば同じ土俵で意見を交えていけます。中には、あくまでも『君たちは下だよ』という態度をとる人もいますが、そういう人とはやりません。言ってもしょうがないから。
『対立から対話へ』って93年くらいからNGOの一部が言い始めたのですが、政策提言型NGOと言って積極的に対話をして相手を変えていこうという運動です。欧米のNGOでは当たり前になっていて『嫌いだよ、あっち行け』ではなく、対話をしながら変えていくという手法をとっていく、要は相手が変わらないと環境破壊は終わらないんです」羽仁
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Intro/Part1/2/3/4/5 report by ORG-nob (July 14, 2002)
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