気がつけば、フジロックまで5ヶ月を切ってしまいました。そろそろいろんな情報が出てきて、ネットを見ていてもorgを始めフジロック関係の掲示板がだんだん活発になっているようです。われわれorgのスタッフは2月26日にスマッシュに出かけて今年のフジの傾向と対策を聞いてきました。なお、今回は出演アーティストに関する情報はありません。「あのアーティストは本当のところ、どうなんだ?」っていう気持ちもわかりますが、その辺は次回に期待してください。
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――まず、早割りについてなんですが、なんで安くなったんですか?
大将「毎年何かにチャレンジしたいというのがある。予算を叩いて安くしたんじゃなくて、日本の流通の中で努力すれば他の分野でも生かせると思う。ただ、期間も枚数も限定されているからな」
――1万だと、すぐ売り切れちゃうんじゃないんですか?
大将「1万いかないと思うけどなあ。どこまで行けるかどうかわからない。3000人か5000人くらいは買うと思うけど。まあ、そういうことがあったほうが面白いじゃんということ。毎年違ったアイディアで活性化しようと思っている」
――早割りのチケットを買うときに駐車券とかキャンプ券は買えるのですか?
大将「俺詳しくは知らない。隣りの石飛に聞いてくれ」
特別出演:スマッシュ石飛さん「今までと一緒だよ。駐車券もキャンプ券も同時に申し込める。詳しくはスマッシュのページを見てね」
――宿を安くすると言っていましたが。
大将「これもまたチャレンジだよね。もっと幅広くお客さんにきて欲しいということで、来やすくしたい。そうするには交通手段とか宿泊とかを安くしたいんだけど、民宿やホテルの人に安くしろ、と言っても無理なんで、いろいろ調べたわけだよ。結果分かったのは、旅行代理店がもっと組織を整理して簡素した方がいいということ。そこで、旅行代理店にコンペをやらせてもっと安く出来ないかと。旅行代理店のマージンが安くなって、旅館の人も傷つかない。それで2割くらい安くなるんじゃないかな。交通手段も旅行代理店やJR、バス会社と話して安くしろと言っている」
――大阪から出るフジロック電車とかという話がありますが。
大将「まだ検討中で、どうなるかは分からない。どうなっているんだっけ?」
(再び登場)石飛氏「交通の商品は今、いろいろ検討中。飛行機を使った商品は何らかの形で出すかな。3月16日にツアーセンターのHPを開設するんでそちらを見てください」
大将「なるべく来やすいようにするけど、選ぶのはお客さんだからね。orgの掲示板使ってみんなで安く来れるようにいろいろ考えて欲しい。いちばん安く出来るのはヒッチハイクだろう(笑)」
――今年のステージはどうなりますか?
大将「レッドマーキーをなくそうかと思ったんだけどね。2週間くらい前に突然おれが言い出して。テント自体はあって夜はダンスをやるんだけど、昼間はなにもやらないんだけど突然グリーンのヘッドライナークラスが30分前のアナウンスでやり始めるとかのハプニングなんかを考えたんだけどやっぱり マーキーとしてやることになるだろうな。アイデアは面白いと思うけどな」
――サーカスとかは?
大将「いろいろ考えている。ただ掲示板にあったけど、『サーカスがなくなってチケットが安くなればいい』という発想は寂しいな。安くなればいいというだけじゃ夢がないでしょ。おれも安くしようとしているわけだけど、夢にどれだけお金をかけられるか、それが問題なわけでしょ。
面白いものを観たいという発想があって、それにどれだけお金をかけられるか、それで出来るとか出来ないというのならわかるけど、最初の発想が『安くなればいい』というのは、寂しいし、何の刺激にもならない。
サマーソニックと比べる人がいるけど、俺は最初から「違うものだ」と言っているんだから。まあ、比べるのはその人のオピニオンだからそれはそれで構わない。だけど、人が走っていると全部マラソンに見える人がいるんだろうな。10キロのレースと42.195キロのフルマラソンじゃペース配分や休息所やテイクケアの仕方も違うだろ。だから、いくら言っても分からない人には、言葉で言うよりも、来てもらえば分かりますよ、というやり方しかない」
――プロレス観たいとか吉本のお笑いを観たいという意見がありますが。
大将「自分で『フジプロレス』って作ればいいじゃん。場所作ってやるから。その代わり中途半端なことをしたらタダじゃおかない」
――吉本のお笑いというのは?
大将「お笑いはやりたいけど、少なくとも吉本ではないよな。既存のものなら十分他で観れるだろ。別に吉本が悪いとかじゃなくて、いつかお笑いステージは作るけど、もっと新しくて、テレビじゃ放送できないようなブラックユーモアとかやる人を出したい。お笑いならアトラクションの要素が強いモノとかいろんなパターンがあるね。
自分の知っているものばかりじゃないものに出て欲しいとか、そういった意見が欲しいな。フジロックは今まで誰もやったことないからやっているし、前進させようとしているわけだから」
――自分で「こういうことやっています」っていう売り込みはあるんですか?
大将「フィールド・オブ・ヘヴンのANOYOなんかそうだね。他にも勇気あるやつはいる(笑)。勇気があってもなくてもコネを使ってアプローチして来る人もいる。どういう形であれ一応話を聞こうや、というコトだから」
――ドラゴンドラに乗ったという話ですが。
大将「スゲエのが出来ている。オアシスの上から出て、グリーン、ホワイト、アヴァロン、ヘヴンって全部右側に見える。乗ったらブッたまげちゃうよ。山頂にはでかいレストランがあって映画をやろうと思ったら出来る。でもそこまで人が来るのかということと、乗るところまでお客さんをどう導くかが問題だな」
――キャンプサイトでバーベキューを出来るところを広げてくれという話は。
大将「土地がないからな。芝生の上は火を焚けないし。あそこに行けばいい、釣堀り。みんな揃っているし」
――シャワーが冷たいという意見がありますが。
大将「冷たくても死にはしない(笑)。暖めているけど、量が多すぎるから薄まってしまうんだろう? 無理矢理引いてきたものだから」
――トイレに男子用のを作れば、という意見は?
大将「考えている。でも、野外の簡易トイレで男子用のは無いらしい。だから作るしかない。おれが、トタンで作って上から水を流せって、図に書いて説明したけど、保健所がなんて言うかね。
まあ、いろんな意見があるのは知っているけど、そういうものは良くなれば儲けものと思ってくれ。ある程度の不自由さは楽しんでくれよ。おれも冷たい人間じゃないよと。だけど、至れり尽せりならあそこでやる意味ないでしょ?文句はどんどん垂れなさい。そして悔やみなさい(笑)。『なんでこんな所に来てしまったんだろう?』 と。だけど、それを補って余りある楽しみを感じてもらえるはずだと。だからといって何もしないわけじゃないし、できるだけのことはちゃんとやろうと思う」
――物販についての意見が多いですが。
大将「事前に売るという意見がスタッフから出ている。方法はいろいろあるんだろうけど。ただ、フジの会場にはそんなに場所が無いんだよね。外国のフェスなんかと比べて、あんなにデカいマーチャンダイズのブースは無いよ。それと現実お金を扱っているワケだし。ただ、何らかの改善はしたいと思っている。あれだけデカいのを作っても並ぶからな。ただ、チケットの売上に準じてグッズも作っているし、そんなに早くなくならないと思う。バランスを取って欲しいよね。時差通勤じゃないけど、空いている時間に行くとか」
――新しくやる企画は?
大将「あるけど、まだ言えない。オアシスエリアを改善してもっと面白く出来ないかと。まあ、雪が解けないとなぁ。
あと、レーザー・ショーな。エジプトのカイロで初めてやったヤツなんだけど、去年はその中心人物を苗場に招待してるし... あと、イギリスのアート集団でミュートイド・ウィエスト・カンパニーってのがあって、廃車とかってがらくたを使ってとんでもないオブジェを作るんだ。まだ、わからんけど、連中にもそれをやってもらおうと考えてる」
――カジノ、お化け屋敷、キッズランドなんかのお遊び企画は?
大将「よほどのことがない限り、やろうと思っている」
――映画は?
大将「場所が無いんだよな。メインステージのスクリーンとPAで映画が観れたら凄い迫 力だろうけど、夜中も仕込みがあるしね」
――最後に、50を越えているのに、何で次々とアイディアが出てきたり、こんなにパワフルなんでしょう?
大将「年は関係ないよ。おれが20歳の頃、『何でみんなこんなに大人しいのだろう』って思ったね。面白いことやりたい、ただそれだけ。旅行だって、いろいろ細かく予定組むのが嫌いなんだよ。『行けば何とかなるだろ』って先のことはあまり考えない。
物事はやっていけば、いろんなところから、いろんな人に出会うし、最初はゼロだったのに、そこで可能性が見えてくる。部屋でアイディアだけを考えてもダメで、何もしないよりはやった方がいい。結果がダメでも、そこからまた始めれば良いんだから。
だから特にパワーの源なんかないね。いやなことはやらない。若いときは『嫌なやつはぶん殴れ』だったけど。若い時に夢というか色んなやってみたい事があってその中に一度刑務所 に入ってみたいというのがあって(笑)。何も犯罪を犯そうとかじゃなくて、やろうとしたことが時々世の中の仕組みに合わないことがあるんだよ。まあ、3ヶ月くらい刑務所に入るのはいいかな。なかで色んな人に会えるだろうし...1年も入る事になったら脱獄したくなるだろうな(笑)。まあ、病院からも逃げてきたわけだし(笑)」
Reported by ORG-nob (March 5, 2002)
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