・新たなfujirockers.orgスタッフが見た朝霧ジャム

　この日は「曇り」で、空はちょっと雲が多いかな、という感じでした。時折に、その雲の切れ目から太陽と青い空（東京と空の色が違うように見えるのは気のせい？）が見えました。雨はまったく降らなくて、午前中は太陽が、まるで夏並の焼くことが出来る日差しでした。午前中は富士山も見えたけど、すぐ雲に隠されてしまい、残念。

　しょっぱなは「猪之頭　陣馬の滝太鼓」。10人ほどの若い衆の太鼓の披露。ステージまで来て見てる人はまだパラパラ。全員20代前半にみえる若い人たちが白い格好で、センターにはさらしをつけてる女性も、ともに叩いていました。ちょっと緊張しているようにも見えましたが、朝に太鼓ってのもなかなか乙でした。こうるさく叩かないで、リズミカルに。僕はそれを見ていて朝のラジオ体操のような目覚めの運動なノリで楽しめました。

　次はthe sideburns。スカから始まる朝霧JAM2日目。太陽が出ていたので、人の格好も軽装（Tシャツや長い長袖）昨日から泊まりの人が多いためか、出足の人の集まりは快調。昨日と比べステージに集まった人のダンスも足取りが軽やか。だけど、演奏が始まってもまだテントから出てこない人が多い。キャンプサイトに行ってみると、もはやフジロックでは恒例である水道に行列。朝霧でも健在でした。昨日の料理で使った鍋やら料理器具を洗ってたり、歯や顔を洗ってたりする人が並んでいた。朝食を作る人や、テントでまだ寝てたり、起きててもごろごろしてたり、その付近に出てまったりしていたり。実にみんなのびのびしている。しかし、日本のスカのレベルは本当に高い。そして、スカってあの軽快なリズムだけじゃなくて、その微妙な雰囲気をいかに作り上げるかなんだなぁと教えられる。

　今回、はじめて渋さ知らズをじっくり見ることが出来ました。一言で言えば、「謎は深まるばかり...」渋さのテーマ（海人のテーマ）がどこか悲しげで力強い。ところどころ海人のテーマが使われていた。パフォーマンスのなかの、全身白塗りの人たち（暗黒舞踏団）たちがどこか一点を見つめている。客をまったく見ていない。なにかを真剣に見つめている（演じているのか？）。赤いドレスを着た女性2人はお客さん見て笑ったりしてるのに。あの2人も、ダンスと言うより、年季の入った踊り子という雰囲気がいい。激しいアクションはほとんどしないけど、微妙な手での表現、からだ全体のリズムの乗り方が良かった。

　YMOのライディーンを演奏したときの振り付けが、最初のリフのとき「すごいシンプルな振り付けだな」と思ったけど、繰り返しリフが最初に戻ると、まったく同じ振り付けをするんだけど、繰り返せば繰り返すほど妙にハマル。両手を腰に当てる、右手を前に出す、顔を横に向ける、左手を腰に当てる、それを1，2，3，4と4拍子でやってるというシンプルな振り付けだったんだけど。渋さ知らズは、きっとなにか意味があるんだろう、そういう要素をもった踊りや演出の道具と、オーケストラを合わせて見てはじめてそのバラバラなものが集合してる面白さがあるんだろうと思う。踊りだけだと、または音楽だけだと、「物足りなさ」を、踊り＋音楽として楽しんだ後だと感じてしまいそう。そのようなことを感じながら踊りとかを見ていると、再び渋さの象徴のように聞こえる海人のテーマが何度も繰り返される。

　胸に残るのは、そのひとつひとつの表現、あれはなんだったんだろう、なにか意味、メッセージ、表現はあったのかな？という謎。渋さ知らズを良く知るファンに聞けばおそらく大半はその答えがあるのだろうけど、僕はその謎を楽しみたいから、自分で答えを見つけたいから、聞かずに謎のままにしておこうと思った。

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